2019 Fiscal Year Research-status Report
Accurate functional imaging of artery using ultrafast ultrasound
Project/Area Number |
18KK0110
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 潔 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (20435928)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (60781648)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 超音波 / 超高速イメージング / 血管動態 / 循環器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,微小血管の超音波イメージング法に関する基礎的検討を行った.海外共同研究者の研究室(スウェーデン ルンド大学)が,流路ファントム製作に関して実績を有しているため,日本側研究者が先方の研究室を訪問し,微小血管イメージング手法の検証実験を行うための微小流路ファントムの研究開発を行った.生体軟組織の超音波音速および男性特性に近いゲルを用いて0.1 mm程度以下の直径の微小流路を構築する手法を確立した.ファントム内の微小流路の存在について,海外共同研究者が所有する高周波超音波イメージングシステムにより確認した. 構築したファントムを用いて,微小流路内の流れを可視化する手法について検討を行った.海外共同研究者が所有する高周波超音波イメージングシステムは時間分解能が低いため,時間分解能に優れる日本側研究者が所有する超音波イメージングシステムにより微小流路内の流れの可視化を試みた.微小流路内に模擬血液を灌流させ,ファントムからの超音波エコー信号を計測した.模擬血液中の微小超音波散乱源からの微弱な超音波散乱波を抽出するためのフィルタは従来も存在するが,抽出された信号から構築した流路の断層像の信号対雑音比が十分ではなかったため,新たな信号抽出手法を開発し,20 dB程度の信号対雑音比の改善が見られた.また,抽出した微小散乱源からのエコー信号をもとに,流速を推定する手法について検討を行った.超音波信号の相関を用いたスペックルトラッキング法および超音波信号の位相を用いた手法について検討を行った.超音波信号の位相を用いた手法は,スペックルトラッキング法に比べ高速であるが,推定可能速度の上限値が低いため,それを改善する手法を開発した.今後,微小血流イメージングにおける両手法の有効性について検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において重要な位置を占める,微小流路を流れる微小散乱源からの超音波エコーのイメージングに関する基本原理を開発するとともに,そのイメージング手法を評価するためのファントムの製作方法も確立できているため,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに原理の基礎的検討を行った微小循環の可視化,流速計測法について,製作した微小流路ファントムを用いた検証と最適化を行う.また,これまで海外共同研究者が所有する高周波超音波イメージングシステムは時間分解能が低いことが問題であったが,先方の研究室に,プログラム可能な高周波超音波イメージングシステムが導入された.当該システムに,日本側研究者が開発したイメージング手法を導入し,微小循環の超高分解能イメージングを実現する. また,心拍にともなう動脈壁の長軸方向変位・変形の計測手法の開発も推進する.動脈硬化性病変が存在する場合などは壁の変位・変形が複雑になることが予想される.そのような場合にも対応した精度検証を行うため,有限要素法と超音波送受信シミュレーションを併用した精度評価プラットフォームを構築する.微小循環が血管壁内にある場合などは,心拍による影響が考えられ,その影響を低減するためにも変位推定法が必要となる.
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Causes of Carryover |
2020年3月に相手方研究室(スウェーデン)への渡航を予定していたが,新型コロナウイルスの影響により次年度に延期となったため.新型コロナウイルスによる渡航制限が解除された後,先方での研究打ち合わせ,実験等を行う.
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