2021 Fiscal Year Research-status Report
Accurate functional imaging of artery using ultrafast ultrasound
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18KK0110
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 潔 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (20435928)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (60781648)
斎藤 こずえ 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80398429)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 超音波 / 超高速イメージング / 血管動態 / 循環器 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,海外共同研究者が所有するプログラマブル高周波超音波イメージングシステムに,超高速超音波イメージングの送受信シーケンスを導入し,微小な流れからの超音波エコー信号を可視化できることを示した.しかし,周囲の組織からの不要の超音波エコー信号や電気的ノイズにより微小流れの描出コントラストが十分とは言えない状況であった.本年度は,微小流れ描出のコントラストを向上させるための手法について検討を行った.周囲組織からの不要エコー信号については,特異値分解を用いたクラッタフィルタの最適化を試みた.特異値分解によるクラッタフィルタの不要信号抑圧特性は,主にカットオフ閾値の設定と処理するフレーム数の2つのパラメータに依存するため,組織部分と血流部分のコントラストのカットオフ閾値およびフレーム数依存性から両パラメータを設定した.また,微小血球からの超音波エコー信号は非常に微弱であるため,電気的ノイズの影響も軽視できない.血球は血流により動いているため,血球からのエコー信号はフレーム方向で変動するが,超高速イメージング条件下ではその動きは比較的遅い.それに対し電気的ノイズはフレーム間でランダムに変動する.そのような特性を利用し,フレーム間の超音波エコー信号の相関を評価し画像化することで,微小流れ描出のコントラストを向上させることができた.さらに,動脈壁の変位計測法に関する検討も行った.超高速超音波イメージングでは,送信に集束ビームではなく平面波を用いるため,強いエコー源が存在しうる血管壁などの実質組織のイメージングにおいてはサイドローブによる不要エコー信号が問題となる.そこで,高フレームレートイメージングを実現する複数の送受信シーケンスについて,変位計測精度の検討を行った.その結果,平面波イメージングについては異なる偏向角度の平面波を重ね合わせることで精度が向上することが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高周波超音波による微小血流像の高コントラスト化を実現するとともに,高フレームレートイメージングにおける組織変位の計測精度を向上させるための送受信シーケンスの検討も行えており,研究がおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで,受信超音波信号へのクラッタフィルタの適用や相関処理により微小血流像の高コントラスト化を実現した.これらの処理の後,最終的な微小血流像を得るためには,処理後の超音波エコー信号を時間的に積算する必要がある.その際,高周波超音波は空間分解能が高いため,逆に体動や拍動の影響を受けやすい.したがって,積算において体動等を補正する手法が重要となる.今後はそのような手法の検討を進めるとともに,海外共同研究者が動物実験において測定する超音波エコー信号においてその有効性を検証する.また,次年度は最終年度であるため,本研究の総括を行うとともに今後の共同研究の方向性について海外共同研究者と議論する.
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Causes of Carryover |
超音波プローブを想定より低い費用で導入できたため.繰り越し分は,当該超音波プローブを用いた動き補正法の検討における実験消耗品に使用する.
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