2021 Fiscal Year Annual Research Report
Survey on prevalence of antibiotic resistant bacteria by monitoring urban sewage in Asia
Project/Area Number |
18KK0114
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 正晃 山形大学, 農学部, 准教授 (10802928)
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / アジア / 都市下水 / モニタリング / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイ・バンコクの2か所の都市下水処理場から採取した下水サンプルから,ESBL産生大腸菌(ESBL-Ec)とCP産生大腸菌(CP-Ec)を分離した。ESBL-Ec(大腸菌139株の54%)はCP-Ec(同10%)よりも高頻度で都市下水から検出された。ここで分離されたESBL-Ec株の80%とCP-Ec株のすべては多剤耐性であった。ESBL-Ec分離株は,日本での分離株と比較して,ゲンタマイシン,テトラサイクリン,クロラムフェニコールに対する耐性率が明らかに高かった。ESBL-Ec分離株とCP-Ec分離株は共通してblaCTX-M,blaOXA-4,blaOXA-30,blaOXA-48 likeを保有しており,blaCTX-Mが最も頻繁に検出された。ESBL-Ec分離株からは,blaTEMとblaSHVも検出された。ESBL-Ec分離株(13%),CP-Ec分離株(20%)はともに病原性が低かった。病原性を有する分離株のうち,MLST解析でST4450に分類された株は,ESBLとCPの両方を産生する遺伝子を保有していた。全ゲノム解析の結果,この菌株は薬剤耐性と病原性に関連したより多くの遺伝子を運ぶ3つのプラスミドを有していた。 DDBJとENAから得た海外の下水汚泥のショットガンメタゲノム(SMG)配列データ(米国9箇所,欧州8箇所)と,日本の5箇所の下水処理場で調査したSMG配列のデータを用い,耐性遺伝子データベースCARDとの比較により,各国の薬剤耐性プロファイルを得た。主成分分析の結果,下水中の薬剤耐性遺伝子プロファイルは,日本と米国・欧州で大きく異なり,日本はアミノグリコシド系やテトラサイクリン系薬剤耐性が多く、米国・欧州では排出ポンプによる多剤耐性遺伝子が多かった。また,各国の下水中の薬剤耐性プロファイルには,気温と医療系抗菌薬使用量が影響していることが示唆された。
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Research Products
(14 results)