2019 Fiscal Year Research-status Report
Data-driven Seasonal Hydrologic Prediction Using Earth Observing Satellites
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18KK0117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 炯俊 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (70635218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 哲史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (20633845)
内海 信幸 東京大学, 生産技術研究所, 博士研究員 (60594752)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 衛星高度計 / 河川の水位 / 海水面温度 / 陸域水貯留 / ニューラルネットワーク / 長期リードタイム予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に衛星観測を用いた河川流量の推定手法や、ニューラルネットワークを用いた河川流量の季節予報手法について検討した。 河川流量の推定については、本研究では大河川における流量データの増築を目指した。具体的には、観測が定期的に広範囲で高頻度で行われている、衛星高度計による河川の水位データを用いて流量を推定した。水位から流量の推定は、HQカーブや貯留関数法が用いられることが多いが、貯留関数法は水位以外にも各河川の変数が必要なため汎用性に乏しい。HQカーブはその単純さから広く使われているが、二次関数での近似という単調さ、ヒステリシスを考慮していないという特徴から改善の余地がある。そこで、本研究では、衛星高度計による水位データのみを用いた、汎用的でHQカーブよりも精度の良い手法を開発した。 また、海水面温度と陸域水貯留を用いて、河川流量の長期リードタイム予測の精度を向上させる可能性を示した。フィードフォワード・ニューラルネットワークを用いた5ヶ月のリードタイム予測において、海水面温度と陸域水貯留のどちらか一方を入力として用いた場合は予測値と観測値の相関係数は0に近い値であったのに対し、海水面温度と陸域水貯留の両方を同時に用いると相関係数が向上することがわかった。数値水文モデルを用いなくても、海面水温や陸域水貯留等の入力の仕方を工夫することで河川流量の予測において一定のスキルを得られることを示したことは意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
水文量の季節予測に向けた技術開発の一環として、今年度は衛星観測を用いた河川流量の推定に取り組んだ。河川流量の推定については衛星観測による水位データのみを用いた、汎用的で精度良い手法を提案できた。また、米国ジェット推進研究所及びカリフォルニア工科大学を訪問し、協力研究者との十分な意見交換を行った。その結果、提案した枠組みに新たに光合成動態の水と放射への感度の時空間的変化を加えることを着想するなど、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
衛星観測を用いた各種水文量の推定手法の開発をさらに進めると共に、来年度以降は予測手法の開発にも取り組んでいく。また米国の協力研究者との意見交換をさらに進め協力関係を築いていく。
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Causes of Carryover |
解析サーバを購入予定であったが、解析手法とプログラミングコードの効率化により今年度は既存の機器で対応可能であったので購入を見送った。来年度は計算量とデータ量の状況を考慮し改めて購入を検討する。
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Research Products
(9 results)