2019 Fiscal Year Research-status Report
Transport phenomena in bismuth nanowires
Project/Area Number |
18KK0132
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 靖洋 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60334158)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏屋 雄紀 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (00377954)
村田 正行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80717695)
小峰 啓史 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90361287)
|
Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
|
Keywords | ビスマスナノワイヤー / 量子効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノスケール直径とミリスケール長さを同時に実現した単結晶Bi(ビスマス)製ナノワイヤーを用いて、トポロジカル絶縁体に代表されるようなスピン軌道相互作用が輸送現象に与える影響に注目し、1次元状態特有の輸送現象と電子状態を実験・理論の面から解明することを目的とする。研究を遂行するにあたり、世 界に先駆けてナノワイヤーの開発と物性測定に成功した日本の研究グループが中心となり、物性測定用ナノワイヤーへのナノ加工と熱電物性測定を進め、伝導率,ゼーベック係数,ホール係数,ネルンスト係数測定を行う。また、バルクBiでの電子状態を解明と、スピン軌道相互作用と熱電物性の研究を推進するため国 際共同研究の体制を構築し、量子ネルンスト係数測定を用いた極低温・強磁場における量子物性測定と解析につなげていく。実験結果を元にして、量子効果を完全に取り入れた理論構築を進めていく。 現在、フランスでの共同研究実験を予定しており、フランスESPCIでの実験装置に相応しいナノワイヤーサンプルの作製が完了し、そのワイヤー直径・結晶方向などの同定が完了している。 並行して量子効果を導入する前段階として、平均自由行程が大きなビスマスのキャリアの平均自由行程と散乱プロセスを考慮した新しいモデルを提案し、ワイヤー直径・温度・散乱プロセス依存性について調査を行っている。これによって、量子効果によるものなのか、それとも、真性キャリア密度・移動度・散乱プロセスの微妙な変化による抵抗率温度依存性が説明できるなどを検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度の5月に研究会,6月に打ち合わせをフランスで行い、その際に、実験に必要となるビスマスナノワイヤーサンプルの決定をした。これを受けて、日本でサンプルの作製,ワイヤー直径・結晶方向の決定を行い、3月中旬にフランスにサンプルを持ち込みつつ実験・打ち合わせの予定をしていたが、昨今の諸事情によりフランスESPCIが閉鎖されたこともあり、サンプルの受け渡しや包括的な実験研究が行われていない。 あわせて、フランスの共同研究者が数ヶ月日本に滞在して研究を行う予定であったが、この計画も諸事情により中止になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験を行うためのサンプル準備が完了していることから、先方の大学での実験が開始された際には、国際郵便も含めてサンプルを渡した上での研究再開を待っている。
|
Causes of Carryover |
フランスで長期間滞在して実験を行う予定であったが、昨今の事情で大学自体が閉鎖されており、長期滞在が困難になったため、旅費の使用状況にずれが出てきている。
|
Research Products
(16 results)