2022 Fiscal Year Research-status Report
Transport phenomena in bismuth nanowires
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18KK0132
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 靖洋 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60334158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏屋 雄紀 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (00377954)
村田 正行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80717695)
小峰 啓史 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90361287)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | ナノワイヤー / Bi / 平均自由行程 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノスケール直径とミリスケール長さを同時に実現した単結晶Bi(ビスマス)製ナノワイヤーを用いて、トポロジカル絶縁体に代表されるようなスピン軌道相互作用が輸送現象に与える影響に注目し、1次元状態特有の輸送現象と電子状態を実験・理論の面から解明することを目的としている。研究を遂行するにあたり、世界に先駆けてナノワイヤーの開発と物性測定に成功した日本の研究グループが中心となり、物性測定用ナノワイヤーへのナノ加工と熱電物性測定を進め、伝導率,ゼーベック係数,ホール係数,ネルンスト係数測定より、その特異な電子物性挙動を明確にすることを試みた。 ナノワイヤーの低温領域における温度依存性について検証したところ、理論モデルより電子のフェルミ面が3つあることから、このうち最も移動度が早い電子ポケットの影響を強く受けることが定性的に明らかになり、実験結果をうまく説明できるようになった。このため、ナノワイヤーにおける特異な輸送現象については、現段階では、フェルミ面が3回対称であること,電子の有効質量が小さく、結果的にワイヤー側面での散乱によって平均自由行程が大きく制限されることで説明できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビスマスナノワイヤーの輸送特性については、モデル計算ならびに実験の結果より、ビスマス特有の電子の3回対称性ならびに小さな有効質量による影響であることを確認でき、古典的な記述で物理を理解できる段階に達したため。
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Strategy for Future Research Activity |
残念ながら2022年度においても世界的なパンデミックの影響は残っており、強い国際共同研究を推進することは困難であった。単結晶Bi(ビスマス)製ナノワイヤーによる実験を軸にした国際共同研究を展開するため、2023年度に海外に長期滞在を進め、国際共同研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
世界的なパンデミックの影響で、現地に長期間滞在した強い国際共同研究ができなかったため、2023年度に行うこととした。
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Research Products
(23 results)