2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of neuroinvasive mechanism of rabies street viruses by using cutting-edge imaging techniques
Project/Area Number |
18KK0192
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20334922)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健太郎 大分大学, 医学部, 准教授 (70458280)
佐々木 道仁 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (70609403)
西山 祥子 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (90817058)
|
Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
|
Keywords | 狂犬病ウイルス / 野外株 / 末梢感染機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、狂犬病ウイルスのI型インターフェロン(IFN)アンタゴニストとして知られる4種類のP蛋白質アイソフォーム(P2-5)に着目し、同ウイルス野外株の病原性におけるこれらの重要性を検討することを目的としている。 2019年度は、野外株1088株の遺伝子操作により前年度に作出されたP2-5発現欠損型変異株(1088dP2-5)の病原性をマウスモデルを用いて検討した。6週齢マウスの大腿筋に10^4FFUの各ウイルスを接種した結果、1088株を接種したマウスの5匹中3匹の発症・死亡が確認されたのに対し、1088dP2-5株を接種したマウスでは、5匹中2匹が発症したものの、全個体が生存した。以上の成績は、1088株および1088dP2-5株の神経侵入性に顕著な差が認められないものの、1088dP2-5株の病原性が1088株よりも減弱していることを強く示唆している。すなわち、狂犬病ウイルス野外株の病原性におけるP2-5アイソフォームの重要性が確認された。 一方、1088株および1088dP2-5株を用いた生体イメージング解析を実施するため、レポーター遺伝子発現型の同変異株を作出する予定である。2019年度は、そのための完全長ゲノムプラスミドの構築を実施し、完成に至った。 2019年度は、ドイツ・フリードリヒ・レフラー研究所のステファン・フィンケ博士と綿密な連絡を取り、3D組織イメージング解析の予備試験を実施するための試料の送付を終えることができた。すでに同試料を用いた解析を進めており、技術的な問題点などの確認を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
狂犬病ウイルス野外株を用いたマウス感染実験の成績に、予想以上のバラツキが確認され、本研究の進捗に影響を及ぼしている。また、共同研究先における大臣確認申請の手続きが滞り、生体イメージング法の実施の制約となった。さらに、2019年2月~3月に若手研究者をドイツに派遣し技術的な指導を受ける予定であったが、新型コロナウイルスの影響でこの派遣がキャンセルとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
1088株以外の野外株を用いて同様の実験を実施するため、犬由来野外株である小松川株の遺伝子操作系を樹立した上で、同株のP2-5発現欠損変異株(KomadP2-5)の作出を行う。さらに、1088dP2-5株の増殖性・病原性について、より詳細な検討を実施する。1088株と1088dP2-5株を用いて、生体イメージングならびに3D組織イメージング解析を実施する。
|
Causes of Carryover |
3月に予定されていたドイツ・フリードリヒ・レフラー研究所における技術研修が、新型コロナウイルスの影響でキャンセルされた。新型コロナウイルスの流行状況を注視しながら研修の実施の可否を判断し、状況が許せば、直ちに研修を実施する予定である。
|