2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new diagnostic and therapeutic platform for swine Streptococcus infections to prevent the emergence of drug-resistant strains.
Project/Area Number |
18KK0193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠矢 真理 順天堂大学, 医学部, 助教 (20804694)
関崎 勉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70355163)
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | Streptocuccus suis / 強毒株 / 菌体表層分子 / ワクチン抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Streptococcus suisの主要抗原を解析す菌体表層タンパク質については、菌体をToryptic Soy培地にて培養後、PBSにて洗浄を行った菌体を、8M尿素を含むTris緩衝液を用いて攪拌し、表層タンパク質の抽出を行った。得られた粗精製物を透析にて尿素を除去し、濃縮にて表層タンパク質画分とした。 得られた表層タンパク質画分をSDS-PAGEで展開し、クマシー染色で確認したところ、3菌株間での差異は認められなかったる目的で、ベトナム・タイ・日本の畜豚の血清サンプルを用いて強毒株特有の抗原の検索を行った。分泌タンパク質については、培養上清を80%硫安沈殿にて濃縮を行い、遠心して沈殿画分を回収後、透析にて硫安を除去したものを培養上清画分として使用した。 それぞれの菌体から得られた菌体表層画分、培養上清画分を12% SDS-PAGE上に展開し、PVDF膜に転写後、豚精製抗体を1:100~1:400の希釈倍率で用いてウェスタンブロットを行った。いずれの抗体も、タンパク質定量では濃度は500 μg/ml 程であり、差異は少なかった。精製した抗体のうち、240抗体サンプルについてウェスタンブロットによる解析を行ったところ、病原性株であるP1/7に反応するバンドと弱毒株であるDAT299株、DAT300株と明確に反応するバンドが異なるサンプルが15サンプル中で認められた。強毒株であるP1/7株と特異的に結合する3種の抗原候補を得ることができた。 候補となる3種類のタンパク質は、いずれも細胞分裂時の細胞壁のリモデリングにかかわる酵素であり、菌体の増殖が起きている場合に多量に産生されることが予測されることから、抗体の産生によって増殖が抑えられている可能性が高い。そのため、これらの抗原はワクチン候補となる可能性が高い。
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