2020 Fiscal Year Research-status Report
live-cell hybrid imaging of morphological dynamics of the plasma membrane
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18KK0196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粂田 昌宏 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00582181)
吉田 藍子 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70831288)
植村 知博 お茶の水女子大学, 理系女性教育開発共同機構, 准教授 (90415092)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 高速原子間力顕微鏡 / 超解像顕微鏡 / エンドサイトーシス / 膜ダイナミクス / クラスリン / BARドメインタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェーズ2:ハイブリッド顕微鏡を用いた膜変形・切り離し過程の可視化解析 ハイブリッド顕微鏡による光学分解能の上昇と共に、時間分解能の向上に取り組み、クラスリン依存的エンドサイトーシス過程の膜変形過程を安定的にイメージングすることが可能になった。これにより、RNA干渉によるタンパク質量の低下が閉口過程における及ぼす影響を定量的に解析することが可能となり、以下の仕組みを明らかにすることに成功した。i) F-BARドメインを持つタンパク質の中でも、CIP4がクラスリンピット閉口時の非対称的な膜隆起の形成に必要である。ii) 膜隆起の形成にはN末端のBARドメインと、中央の非構造領域の両方が必要である。iii) 中央部の非構造領域は強い自己集合能を持つ。iv) 中央部の自己集合がアクチンの集積を誘導し、局所的なアクチン重合が進行することで非対称的な膜隆起が生じる。このことは、クラスリン依存的エンドサイトーシスの分子機構解明に迫る重要な知見である。 フェーズ3:ハイブリッド顕微鏡を用いた膜融合過程の可視化・解析 研究分担者である植村との共同研究により、エキソサイトーシス過程での膜融合に関与するタンパク質(SNAREおよびVAMP2)に蛍光タンパク質を融合させたものを培養細胞に発現させ、蛍光と高速AFMとの相関イメージングの確立に着手した。 超解像顕微鏡とのハイブリッド化に関しては北海道大学に新たな高速AFMシステムが導入されたため、HIRO照明による1分子蛍光観察とのハイブリッド化を検討している。京都大学にも新たな高速AFMヘッドを導入し、解像度のさらなる上昇に向けて取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クラスリン依存的エンドサイトーシスの閉口過程に関するハイブリッドイメージングで、膜変形を誘導するタンパク質を同定できたことは大きな成果である。この点に関しては、論文執筆中であり、近日中に投稿予定である。一方で、コロナの感染拡大による渡航禁止のため、海外共同研究先との人的交流はすべてオンラインに限定された。ハイブリッド顕微鏡の空間分解能の上昇に関しては、新たなAFMヘッドを導入し、新たなシステムを組み上げ中であるが、予定よりもやや遅れている。この点に関しては、海外共同研究者であるRiesおよび北海道大学とオンラインで情報共有しながら設計を試行錯誤している。若手育成に関しては、海外渡航の機会が消滅したため、人的交流が激減したことは想定外であった。国際学会や研究集会がオンラインで開催されているが、若手の育成という観点では、現地での交流が重要であると思われる。よって、渡航費に計上していた予算はすべて来年度に繰り越すこととした。来年度はコロナ禍が収束し、海外渡航の機会が増えることを期待する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、超解像や他の高空間分解能イメージングとのハイブリッド化を進めると同時に、クラスリン依存的エンドサイトーシスの閉口過程における分子機構に関する成果を論文として公表する。昨年度から開始したフェーズ3に関しては、お茶の水大学の植村とYale大学のZhangと共同で、エキソサイトーシスのイメージングを重点的に推進する。また、京都大学および北海道大学に導入した新たなAFMシステム・スキャナヘッドを用いて、解像度上昇へのさらなる取り組みを推進する。若手育成に関しては、コロナ禍の状況を見ながら、国際学会・研究集会での若手研究者の口頭発表を積極的に推進する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴う海外渡航禁止令により、海外共同研究者との打ち合わせが不可能となり、参加を予定してた国際学会・国際研究集会もキャンセルやオンライン開催のみとなり、計上していた旅費を使う機会が消滅した。このため、予算の一部を翌年度に繰り越し、感染拡大が収束して国際学会が現地開催された際に旅費として使用する予定である。
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Research Products
(8 results)