2019 Fiscal Year Research-status Report
International collaboration for the study of drug action based on real-world clinical data
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18KK0216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
宗 可奈子 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50816684)
永安 一樹 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00717902)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床ビッグデータ / 深層学習 / 電子カルテ / 薬物依存 / 有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究代表者は米国の有害事象セルフレポートの統計解析から特定の有害事象を軽減する新しい薬効を既存薬に見出し、新しい創薬標的を提案する研究を行っている。本研究では有害事象ビッグデータを仮説導出に用いてきた日米仏の研究者が協力して(1)電子カルテ等の臨床エビデンスを薬物作用の研究に活用するためのデータ構造と解析手法の標準化を米国と共同で行い、(2)化合物の化学構造や薬理作用から臨床作用を高精度に予測するためのモデルフリー解析手法をフランスとの共同研究で完成させることを目標にしている。2018年度に双方の研究者との合意を得て、相互訪問および現地における電子カルテや化合物の受容体親和性情報を活用した研究を行うべく、2019年度はそれぞれの研究機関においてデータクリーニング、深層学習手法の開発、各々が所有するデータを用いた解析結果の相互評価などを行った。米国との共同研究については、覚醒剤やコカインなど薬物依存症の治療において障害となるストレス誘発性の渇望と治療中断について解析を行い、いくつかの治療薬候補を見出し、その効果をJMDCレセプトデータベースを用いた時系列解析によって確かめた。また化合物の薬理活性については、市販薬3000種類のSMILES式を作成し、受容体親和性情報や有害事象レポートとのクラスタリングおよびGCNNを用いた機械学習エンジンの開発と性能評価を行い、十分に実用レベルの予測性能があることを確かめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度末にあたる2020年3月には京都で開催される日本薬学会140年会の機会にDr. Tatonettiをコロンビア大学から招聘して学会での特別講演や共同研究を行う予定にしていたが、2020年1月より流行した新型コロナウイルス感染症の影響によって学会が誌上開催となり、来日が中止となってしまった。そのため京都大学のデータを用いて現地でのみ行える共同研究の一部が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年夏に予定していたコロンビア大学における現地解析も延期せざるを得なくなっている。今後のパンデミック状況が改善しない限り、持ち出しが許されない臨床データの現地における解析が不可能となるため、現状が続くと仮定しても可能な共同研究形態を模索しているところである。
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Causes of Carryover |
2020年3月にDr. Tatonettiが来日して京都で行うはずだった共同研究が急遽できなくなり、予定を大幅に変更したため次年度使用額が生じた。使用計画は、新型コロナ感染症が落ち着いた時点でオンライン会議などの方策をつかって共同解析を行う予定であり、その整備に充てる。
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