2020 Fiscal Year Research-status Report
International collaboration for the study of drug action based on real-world clinical data
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18KK0216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
宗 可奈子 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50816684)
永安 一樹 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00717902)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床ビッグデータ / 深層学習 / 電子カルテ / 薬物依存 / 有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は米国コロンビア大学Dr. Tatonettiおよびフランス・ロレーヌ大学Dr.Smail-Tabboneとの三者協力によって、①臨床エビデンスに基づく薬物相互作用の発見、および②化学構造式の薬理作用予測という2つのテーマについてデータリソースの共有および解析プロトコルの共同開発を目的としている。残念ながら研究を開始して2年より新型コロナウイルス感染症の流行によって直接の行き来が不可能になり、ネットを介した研究打合せやプロトコルの情報提供を行っているが、大学病院電子カルテなど、現地でしか解析することが不可能な情報資源へのアクセスができないことが研究の遂行に最大のネックとなっており、今後も打開の道が見えていない。そこで2020年度より、①に関しては米国でIBM社が販売しているレセプトデータ(MarketScan)を活用すること、②に関してはChEMBLが公開している化合物の親和性データおよびFDAが公開している有害事象セルフレポートを最大限に活用することに方針を変更した。①については2017年から2019年に及ぶ3カ年、のべ3600万人という米国民の1割以上に相当するビッグデータを入手し、その解析に着手した。②についても171万化合物についての化学構造と親和性データを正規化し終え、さらにコンピュータで自動的に新規の化学構造式を生み出すプログラムを開発して、化学構造式と受容体親和性の関係の機械学習、および新規化学構造に対する親和性予測という課題にチャレンジする体制を敷いた。これによってすでに127標的に対する機械学習には成功し、2020年末に論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により相互の渡航が不可能になり、最も重要な臨床データの現地解析ができないことから研究の遂行自体が不可能になる恐れがあったが、幸いにも日単位の詳細なデータが記録されたIBM社の3600万人レセプトデータを導入することによって、統計解析が動き始めた。機械学習についてはChEMBLデータの活用によって、127創薬標的に対する化合物の親和性予測エンジンが完成して論文発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は米国レセプトデータを用いた薬物間相互作用の発見と、より多種類の創薬標的に対する化合物の親和性予測、さらにはヒトで起こる有害事象などを化学構造式から予測するエンジンの開発と国際的な共有および評価が進展するものと期待できる。
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Causes of Carryover |
米国コロンビア大学における電子カルテの現地解析が不可能になり、研究代表者および同行する大学院生の海外出張ができなかったため。
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Research Products
(5 results)