2021 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiological functions of ion channels in the chronic inflammatory and fibrotic disorders
Project/Area Number |
18KK0218
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (70275147)
山村 寿男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80398362)
鈴木 良明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (80707555)
鬼頭 宏彰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40749181)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 慢性炎症 / リンパ球 / 血管リモデリング / マクロファージ / カルシウムシグナリング / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1,IL-10/IL-17Aを産生する制御性T細胞は、炎症性腸疾患(IBD)のような自己免疫疾患の発症・増悪の抑制に関与することが知られている。我々はIBDモデルマウスやin vitroで誘導した制御性T細胞において、Ca2+活性化K+チャネル(KCa3.1)阻害薬がBlimp1、E4BP4、KLF4といったIL-10/IL-17Aの転写制御因子の発現が亢進することで、IL-10/IL-17A発現を亢進させることを明らかにした。(Ohya et al., 2021)。さらに、JNK阻害薬がKCa3.1阻害によるIL-10発現上昇を抑制することと、KCa3.1阻害薬がリン酸化JNKおよびc-Junの発現を上昇させることを見出した。これにより、JNK/c-Junシグナルが、制御性T細胞におけるKCa3.1阻害誘導性のIL-10発現亢進に関与することを明らかにした (Matsui et al, 2022)。 2,敗血症では、炎症反応による骨芽細胞障害を介したIL-7産生抑制が免疫細胞数の減少を引き起こす。我々は、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1の骨芽細胞分化に内向き整流性K+チャネルKir2.1の機能亢進が重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、miR-106p-5pの発現減少がKir2.1の発現上昇に寄与することが明らかとなった。現在、慢性炎症時におけるKir2.1やmiRNAの発現活性変化と骨芽細胞機能との関連について検討中である。 3,血管に対する持続的なストレス負荷が興奮転写連関を介してケモカインなど白血球集積を引き起こす分子の遺伝子発現の転写を引き起こすことを明らかにした。これにより、マクロファージが血管壁に集積して慢性炎症が引き起こされることで、血管リモデリングが引き起こされることを見出した(Suzuki et al, 2022)。 4,門脈圧亢進症モデルマウスの門脈平滑筋細胞では、アンジオテンシンⅡのはたらきによりTMEM16Aの発現が減少して、自発運動に異常が生じることを明らかにした(Kondo et al, 2022)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,これまでに、制御性T細胞におけるCa2+活性化K+チャネルKCa3.1阻害が、Blimp1、E4BP4、KLF4などの発現を亢進させることで、IL-10/IL-17A発現を亢進させることを明らかにした。(Ohya et al., 2021)。さらに、詳細な解析から、JNK/c-JunシグナルがKCa3.1阻害によるIL-10の発現亢進に関与することを明らかにした (Matsui et al, 2022)。 2,マウス骨芽細胞株MC3T3-E1において、miR-106p-5p発現変動が内向き整流性K+チャネルKir2.1の機能亢進を引き起こすことで、骨芽細胞分化が促進されることを明らかにした。 3,これまでに血管壁に集積したマクロファージが血管リモデリング形成に重要な役割を果たすことが知られていたが、どのようにしてマクロファージがストレス負荷を受けた血管に集積するかは不明であった。我々は平滑筋細胞における興奮転写連関が、ケモカインなど白血球集積を引き起こす分子の遺伝子発現を上昇させることを明らかにした。本研究成果により、平滑筋細胞とマクロファージの相互連関による新たな血管リモデリング形成機構が明らかになった(Suzuki et al, 2022)。 4,門脈圧亢進症の発症メカニズムの一つとして、門脈平滑筋におけるTMEM16A発現減少が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで途絶えていた研究者の交流を可能な範囲で進める。 敗血症時の骨芽細胞障害およびIL-7産生抑制による免疫細胞数の減少に対する、miR-106p-5pおよびKir2.1の寄与を明らかにする。 血管平滑筋の興奮転写連関と各種血管リモデリング疾患の関係を明らかにする。また、これまでに見出した分子機構がこれらの疾患の予防・治療に有効であるか検証する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大により、研究者の交流が思うように進まなかったため。
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Research Products
(26 results)