2018 Fiscal Year Research-status Report
Collection and utilization of bioresources and natural products from Indonesia
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18KK0219
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
供田 洋 北里大学, 薬学部, 教授 (70164043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 太一 北里大学, 薬学部, 講師 (30458765)
大手 聡 北里大学, 薬学部, 助教 (00547979)
小林 啓介 北里大学, 薬学部, 助教 (80794734)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2021-03-31
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Keywords | 天然資源 / ライブラリ / 探索 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、本研究を進めるにあたり、インドネシアから日本(北里大学)に微生物(菌株)などの生物資源/遺伝子資源を持ち込むために、共同研究先であるハサヌディン大学 (UNHAS)、LIPI (インドネシア科学院)と北里大学の間で、名古屋議定書や生物多様性条約を遵守した契約(協定)が必要である (すでに、北里大学とUNHASの大学間協定は締結済みである)。そのため、2018年度すぐに(12月と2019年3月)、UNHASとLIPIを訪問し、契約に関する打ち合わせを行ない、合意した。 そして本研究では、(1)微生物資源の収集と保管、(2)天然化合物の収集と保管・創薬シーズの検索、(3)病原微生物資源の収集と保管・診断薬やワクチンへの利用および(4)天然生物資源のデータベースの構築を目的として進めた。 (1) 微生物資源の収集と保管: スラウェシ島を中心に、UNHASグループと一緒に、さまざまな土地から土壌サンプルを収集し、放線菌と真菌を分離し、UNHASに保管した。LIPIでは、項目2)を行うために、微生物 (菌株) の準備を進めた。 (2)天然化合物の収集と保管・創薬シーズの検索:スラウェシ島マロスに生育する植物の根から分離した放線菌の培養液から抗抗酸菌活性物質を単離し、同定した。また、他の培養液からも抗抗酸菌活性を見出した。 (3)病原微生物資源の収集と保管・診断薬やワクチンへの利用:UNHASグループとスラウエシ島南スラウエシ州ボネ地区で現地調査を行い、ハンセン病患者血清と鼻粘膜スワブサンプルおよび病変部生検サンプルをそれぞれ5検体採取した。また、南スラウエシ州マカッサル周辺地区の40名のハンセン病新患患者から血清および鼻粘膜スワブサンプルも採取した。 (4)天然生物資源のデータベースの構築:(1) から (3) で収集、保管した生物資源情報のデータベースの準備をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアから日本(北里大学)に微生物(菌株)などの生物資源/遺伝子資源を持ち込むために、UNHAS、LIPI、北里大学間での協定に合意した。また、様々な土地から病原微生物を含めた微生物資源サンプルを収集し、ライブラリーとして、保管した。さらに、スラウェシ島マロスに生育する植物の根から分離した放線菌の培養液から抗抗酸菌活性物質を単離し、同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、本研究では、(1)微生物資源の収集と保管、(2)天然化合物の収集と保管・創薬シーズの検索、(3)病原微生物資源の収集と保管・診断薬やワクチンへの利用および(4)天然生物資源のデータベースの構築を実施する。 (1) 微生物資源の収集と保管:年間2,000株を目標に、UNHASは東インドネシア地域を中心に、LIPIは西インドネシア地域を中心に、土壌、海洋生物、植物、昆虫等からの微生物を分離し、保存する。 (2) 天然化合物の収集と保管・創薬シーズの検索:様々な条件で培養した微生物の抽出液や植物抽出液などから、年間100化合物、1化合物あたり10 mgを目標に、化合物の単離精製を進める。また、申請者グループが構築した10種以上の細胞評価系と酵素評価系 (抗菌活性および抗がん活性、脂質代謝阻害活性など) を用いて生物活性評価を進める。 (3) 病原微生物資源の収集と保管・診断薬やワクチンへの利用:インドネシア地域で罹患率が高い結核、マラリア、ハンセン病のサーベイランス調査を行うために、少なくとも年間100サンプルの病原微生物 (Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium lepraeなど) や媒介動物 (Anopheles mosquitoなど) などを収集し、分離、保存する。 (4) 天然生物資源のデータベースの構築:(1) から (3) で収集、保管した生物資源情報、遺伝子情報、構造情報などのデータベースを構築する。また、様々な条件で培養した微生物の抽出液をLC-MS/MS解析し、二次代謝産物情報と生物活性情報などのビックデータをデータベース化し、共有する。 2019年度は、年4回 (約1週間程度) は訪問し、フィールドワークを行い、微生物(菌株)を日本に持ち帰る。
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Causes of Carryover |
2018年度に購入予定だった真空凍結乾燥機がまだ選定中のため、2019年度に繰り越した。2019年度は、選定した真空凍結乾燥機を購入し、インドネシアでの現地調査の回数を増やす予定である。
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Research Products
(5 results)