2018 Fiscal Year Research-status Report
Neural regulatory mechanism of memory formation and erasure during sleep
Project/Area Number |
18KK0223
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 章弘 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (60323292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 貴之 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (40466321)
山下 哲 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40740197)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | 視床下部 / 睡眠覚醒 / MCH神経 / 記憶 / 海馬 / マイクロエンドスコープ |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠中に記憶が固定・消去されていると考えられているが、どのように調節されているのか神経科学的に解明されていない。本研究では、メラニン凝集ホルモン(MCH)神経に対して、最新の光技術を駆使した神経活動の光操作と光記録を適用し、睡眠覚醒解析と記憶を評価する行動実験とを組み合わせることによって、睡眠時の記憶制御メカニズムについて神経回路レベル、細胞レベルにて詳細に明らかにすることを目的としている。 遺伝子改変マウスとアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、メラニン凝集ホルモン産生神経活動を光遺伝学や化学遺伝学を用いて操作可能なマウスを独自に作出し、神経活動操作時に記憶がどのように制御されるのかについて検討を行った。光遺伝学、化学遺伝学を用いて、MCH神経を活性化させると、海馬依存的な記憶が消去または抑制されることを明らかにした。一方、同手法を用いて抑制すると記憶が向上することを見いだした。これらの結果はMCH神経活動が海馬依存的な記憶に関わっていることを示している。そこで、MCH神経の活動を睡眠覚醒中のマウス脳内において測定するために、MCH神経特異的にカルシウムインジケータであるGCaMP6を発現するマウスを作成した。これらのマウスの脳内にGRINレンズを刺入し、マイクロエンドスコープを頭上に装着することによって、MCH神経活動を1細胞レベルで記録した。脳波筋電図記録と組み合わせて、睡眠覚醒状態を判定しながら、MCH神経活動を解析したところ、MCH神経はレム睡眠中と覚醒時に活動が高くなっていた。そのため、次にMCH神経の活動を睡眠覚醒状態依存的に操作することを試みた。MCH神経特異的に光で神経活動を抑制するArchTを発現させ、覚醒時、ノンレム睡眠時、レム睡眠時に神経活動を抑制した。その結果、レム睡眠中での抑制が記憶の向上に関わっていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自由に行動するマウスの脳内のMCH神経を1細胞レベルで記録出来るマイクロエンドスコープを用いて、MCH神経にはレム睡眠中に活動するMCH神経と覚醒時に活動するMCH神経の2種類があることを明らかにした。そこで、これら2種類のMCH神経の役割について明らかにするために、リアルタイムで脳波筋電図を記録しながら、睡眠覚醒状態を判定し、光照射のタイミングを制御する装置のセットアップを行った。非常に高い正解率でリアルタイム睡眠覚醒状態判定ができることを確認したため、睡眠覚醒状態依存的に神経活動を光遺伝学を用いて操作することが可能になった。この装置を用いて、記憶の評価を行う行動実験と組み合わせることで、レム睡眠中のMCH神経活動が記憶制御に関わっていることを明らかにする検討を行った。睡眠覚醒状態依存的光遺伝学によるMCH神経の抑制によって、レム睡眠中のMCH神経活動が記憶制御に関わっていることを明らかにすることに成功しているため、当初の計画以上に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
レム睡眠時に活動するMCH神経と覚醒時に活動するMCH神経の生理的役割について行動実験などによって明らかにする。また、記憶制御に関わる分子細胞レベルでのメカニズムについてインビトロ電気生理学などを用いて明らかにする。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた共同研究先での研究について、採択連絡後に調整したところ先方の都合により年度内での実施が難しくなった。改めて研究内容と時期について調整を行っており、早急に実施に向けて進めていく。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article] Upconversion Amplification through Dielectric Superlensing Modulation2019
Author(s)
Liang L, Teh DBL, Dinh ND, Chen W, Chen Q, Wu Y, Chowdhury S, Yamanaka A, Sum TC, Chen CH, Thakor NV, All AH, Liu X
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Journal Title
Nat Commun
Volume: 10(1)
Pages: 1391
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Glutamatergic neurons in the medial prefrontal cortex mediate the formation and retrieval of cocaine-associated memories in mice2019
Author(s)
Zhang T, Yanagida J, Kamii H, Wada S, Domoto M, Sasase H, Deyama S, Takarada T, Hinoi E, Sakimura K, Yamanaka A, Maejima T, Mieda M, Sakurai T, Nishitani N, Nagayasu K, Kaneko S, Minami M, Kaneda K
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Journal Title
Addict Biol
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Calcium Transient Dynamics of Neural Ensembles in the Primary Motor Cortex of Naturally Behaving Monkeys2018
Author(s)
Kondo T, Saito R, Otaka M, Yoshino-Saito K, Yamanaka A, Yamamori T, Watakabe A, Mizukami H, Schnitzer MJ, Tanaka KF, *Ushiba J, *Okano H
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 24(8)
Pages: 2191-2195
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Opiates increase the number of hypocretin-producing cells in human and mouse brain and reverse cataplexy in a mouse model of narcolepsy.2018
Author(s)
Thannickal TC, John J, Shan L, Swaab DF, Wu MF, Ramanathan L, McGregor R, Chew KT, Cornford M, Yamanaka A, Inutsuka A, Fronczek R, Lammers GJ, Worley PF, *Siegel JM
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Journal Title
Sci Transl Med
Volume: 10(447)
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Neuronal SIRT1 regulates macronutrient-based diet selection through FGF21 and oxytocin signalling in mice2018
Author(s)
Matsui S, Sasaki T, Kohno D, Yaku K, Inutsuka A, Yokota-Hashimoto H, Kikuchi O, Suga T, Kobayashi M, Yamanaka A, Harada A, Nakagawa T, Onaka T, Kitamura T.
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Journal Title
Nat Commun
Volume: 9(1)
Pages: 4604
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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