2018 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analysis of 3D nuclear gene position involved in malignant transformation of hypoxic cancer
Project/Area Number |
18KK0233
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中山 恒 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (10451923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 幸介 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60611613)
與那城 亮 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60453809)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 低酸素応答 / 遺伝子発現 / 染色体構造 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を開始するにあたり、まず、共同研究相手先の海外研究室を訪問して、共同研究者と一緒に大規模なイメージング解析を実施するためのプローブ設計アルゴリズムとデータ解析を行うためのプログラムの利用環境を整備した。また、大規模解析を効率的に実施するための顕微鏡システムの調整を行った。次に、代謝酵素の網羅的な核内配置解析を実施するために、代謝酵素遺伝子を複数の指標に基づき検証し、解析対象とする酵素の絞り込みを行った。さらに、代謝異常を示すがん組織と対照となる正常組織の遺伝子発現データを公共のデータベースより取得して、代謝酵素遺伝子の発現状態を比較解析した。この解析を様々ながん種で大規模に行い、がん細胞における発現パターンが正常細胞と比べて大きく異なり、かつ、その変化がこれまでに知られている当該がん種・がん細胞の代謝様式と合致するものとして、4つのがん細胞を同定した。この中から、まず乳がん細胞株MB231細胞を用いて、通常酸素・低酸素環境での長期培養を行い、大規模解析のための試料を調製した。また、イメージングに必要なプローブを大容量で調製するにあたっての予備的な実験として、6種類の遺伝子に対するプローブを作製・標識して、遺伝子配置の検出実験を行った。プローブの合成手法、プローブ濃度、反応温度の各パラメーターを振りながら、実験条件の至適化を行い、高感度でのイメージング解析が実施できる、実験系の確立までを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模解析のための遺伝子群の選抜と、イメージング解析系の確立までを完了することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目の研究より選抜したがん種に着目して、代謝酵素遺伝子の網羅的な核内配置情報の解析を実施する。次に、データ解析を進めて、各遺伝子の配置に法則性がないかを検証すると共に、同じような動態を示す遺伝子に関してはグループ化して、それらの機能と核内配置の関連を調べる。さらに、がん細胞と正常細胞を比較しながら、がん細胞において前述のような遺伝子配置の変化が引き起こされる分子機構を、ノックダウン実験を用いて明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は大規模な遺伝子解析に必要となるプローブを購入するための経費を計上していたが、解析対象とする遺伝子の選抜解析を入念に進め、プローブの購入を次年度に行うこととしたため。
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