2020 Fiscal Year Research-status Report
Mass drug administration of Artemisinin and Ivermectin toward malaria elimination in tropical Africa
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18KK0248
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金子 明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60169563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 昇 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00363432)
城戸 康年 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90511395)
加賀谷 渉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (20782577)
上坂 侑子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 前期臨床研究医 (50831525)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | マラリア / 媒介蚊対策 / 天井式蚊帳 / ケニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、ケニア・ヴィクトリア湖内島嶼におけるイベルメクチンとアルテミシニン併用療法の集団投薬による介入試験によって、マラリア伝播へのインパクトを検証し、新規媒介蚊対策としてのイベルメクチンによるマラリア制圧の概念実証を目指すものである。現在、イベルメクチンの対照として、新規媒介蚊対策法である天井式蚊帳の検証を進めている。本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大のため、現地への渡航、研究推進が制限されたが、現地共同研究者ならびに現地NGOへの業務委託により、遠隔での研究推進の体制が整備された。この体制により、天井式蚊帳の大規模なクラスター無作為化群間比較対照試験(CRCT)をムファンガノ島において実施する準備が進められた。2000家族、10,000人の情報と家屋構造の情報を収集し、CRCTに必要なクラスター設計を行った。来年度中には介入を開始し、その評価を行う予定である。また並行して、媒介化対策法の検証において、交絡因子となりうる他の介入試験(室内残留型殺虫剤噴霧(IRS))の効果を、内陸部において検証した。ホマベイ郡とUSAIDのプログラムによりIRSが4年間実施された内陸部ではRDTによるマラリア感染率が50%から10%まで減少、低度流行が維持されているが、IRSが1年目で中断されたムファンガノ島では、同様の減少後の伝播再興が確認され、介入の中断により即時的な再興が起こりうるリスクが示唆された。こうした最高の危険性にイベルメクチンによる集団投薬、あるいは天井式蚊帳がどのように対処できるかを、来年度の検証事項とする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、現地への渡航、調査、準備は実施できなかったが、現地研究協力者のサポートや現地NGOへの業務委託により、遠隔でも研究を推進することができ、当初の予定通り研究を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響が考えられるため、昨年度中に確立した態勢で研究を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大により、研究者の現地への渡航がかなわなかったため。来年度も渡航が困難な場合は、遠隔での研究遂行を可能にするシステム環境づくり(日本、ケニア両国において)に予算を割り当てる。
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Research Products
(1 results)