2019 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患の病因解明と新規治療戦略 -特異なT・B細胞を標的として-
Project/Area Number |
18KK0260
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10637333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
新納 宏昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (20380636)
山元 英崇 九州大学, 大学病院, 准教授 (30404073)
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | IgG4-RD / T / B / CD4+CTL / Tfh |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦から提唱され、現在では世界で注目されている IgG4関連疾患 (IgG4-RD) は、全身の臓器に病変を生じ罹患臓器への T細胞および B細胞の浸潤に伴う不可逆性の臓器線維化ならびに特異な免疫グロブリンのクラススイッチ(主にIgG4)を特徴とする特異な疾患である。本研究では、特にT細胞とB細胞に焦点をあててその特徴的な免疫担当細胞を明らかにすることを目的としている。IgG4-RD患者より採取した末梢血と罹患臓器よりシングルセル次世代シークエンス解析を行った。その結果、特徴的な免疫担当細胞の存在が示唆された。IL4産生の濾胞性ヘルパーT(Tfh)とTfr、CD4+細胞障害性T(CTL)細胞が特徴的に増加していることが明らかとなった。IL4産生Tfh細胞は、IL10遺伝子発現が高く、ICOSやCD40Lを発現し、B細胞と相互作用していることが示唆された。CD4+CTLは従来報告しているように、細胞障害性タンパクの発現が高いことが明らかとなった。また、B細胞のうち、IgG4産生plasma cell と plasmablasts の他に、特徴的なB細胞が増加していることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究としてIgG4-RDのB細胞がPDGFやLOXL2を産生し線維芽細胞を介した臓器線維化に関与することを J Allergy Clin Immunol に報告した。また、シングルセル次世代シークエンス解析の結果は学会発表を行っており、概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、IgG4-RD患者のヒト検体によるシングルセル解析により病態形成に深く関わる免疫担当細胞について詳細に検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初予想していたよりも、研究成果が得られたために、解析費用が嵩んだことと共同研究者との打ち合わせが頻繁になったことで次年度使用額が生じた。
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Research Products
(12 results)