2021 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患の病因解明と新規治療戦略 -特異なT・B細胞を標的として-
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18KK0260
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10637333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
新納 宏昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (20380636)
山元 英崇 九州大学, 大学病院, 准教授 (30404073)
森山 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | IgG4-RD / 木村病 / IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は、本邦から提唱された新しい疾患概念である。全身の臓器に病変を生じ罹患臓器へのT細胞およびB細胞の浸潤と特異な免疫グロブリンのクラススイッチ(主にIgG4)を特徴とする疾患である。本研究では、シングルセル遺伝子発現解析によりIgG4-RDの特異なクラススイッチに関わるT細胞を同定し、さらに欧米のIgG4-RDの研究拠点である米国のRagon研究所と共同でその多重蛍光免疫染色法によりその存在を同定および確認することを主な目的とした。IgG4-RDの罹患臓器では多数の異所性胚中心形成を認めることから、所属リンパ節と共に罹患臓器の第3次リンパ節でもIgG4への特異なクラススイッチが生じていることが考えられた。そこで、IgG4-RDの罹患臓器である唾液腺組織からクラススイッチに関わる濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞にフォーカスし、シングルセル遺伝子解析を行なった。また、T細胞レセプターのレパトア解析を行い、クローナリティ解析も行なった。その結果、IgG4-RDに特徴的に増加しているIL10+IL21+LAG3+Tfh細胞を同定した。また、AIDを発現するクラススイッチしたB細胞の多くが、IL10レセプターとIL21レセプターを高発現していることも明らかにした。一方で、アレルギー疾患と考えられるIgEへのクラススイッチを特徴とする木村病については、IL13+GATA3+Tfh細胞の特異な増加を認めた。さらにIL10は発現するTfh細胞をIgG4-RDの罹患臓器ならびに所属リンパ節で確認した。以上より、IgG4-RDの異所性胚中心を多数形成している罹患臓器では、IL10+LAG3+Tfh細胞が特異に増加していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究成果の一部を2022年に The Journal of Allergy and Clinical Immunology に論文として報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、本研究で得られた成果を別の論文に執筆中である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大で渡米ができず、共同研究先である米国Ragon研究所での研究実施が困難であった。その研究費分を、当該年度に主研究元である九州大学病院で研究を実施する予定である。
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