2019 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanism underlying time-dependency of post-stroke rehabilitation
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18KK0276
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
岡部 直彦 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30614276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 修 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00253287)
丸山 恵美 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
氷見 直之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70412161)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2020-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では 脳梗塞後リハビリテーションによる効果が発症から時間が経過するにつれて減弱する「リハビリテーションの時間依存性」を司る分子メカニズムを明らかにすることを目的として実験、解析を行っている。2019年-2020年は主に皮質脊髄路へのシナプス入力の変化を解析するため下記の3実験を行った。 1)行動試験によるリハビリテーションの効果検証と機能回復を担う脳領域および神経細胞種の同定、2)樹状突起スパイン解析によるシナプス動態の解析、3)狂犬病ウイルス(Rabies Virus: RV)をもちいた単シナプス経路解析 これらの実験から以下の可能性が示唆された。①脳梗塞後リハビリテーションは脳梗塞により生じた機能障害を回復させるが、この機能回復は対側(健常側)脳よりも梗塞側脳の残存脳領域である前運動野に依存する。②脳梗塞領域に投射する神経細胞では梗塞から時間的(4週間後)・空間的(平均1.5mm)に脳梗塞から解離していても樹状突起スパインが減少し、リハビリテーションはこれらの異常を回復する。③一次運動野への脳梗塞により梗塞脳体性感覚野・視床および対側脳前運動野から梗塞側前運動野へのシナプス入力が障害され、リハビリテーションではこれらの障害が軽減され、特に対側前運動野からのシナプス入力が回復する。 本実験により確認された梗塞領域投射ニューロンにおける樹状突起スパインやシナプス入力の障害、およびリハビリテーションによるこれらの障害に対する効果は今まで報告されておらず、脳梗塞後の機能回復における新しい知見が得られた。現在、DREADDsを用いた神経回路特異的抑制試験などによりこれらの組織学的変化と機能回復の関連を検証しており、今後リハビリテーションの実施時期による影響および分子メカニズムの検証も行う予定である。
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Research Products
(2 results)