2021 Fiscal Year Research-status Report
バイオナノマシンによる分子通信を介した自己組織的な形態形成
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18KK0314
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70571173)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 分子通信 / バイオナノマシン / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子通信とは、細胞間通信に着想を得たバイオナノマシンのための通信方式である。本研究では、バイオナノマシンの集団が分子通信を介して相互作用する結果、ある種の幾何学構造を形成することを考える。形態形成における分子通信の役割を理解すること、および、形態形成におけるバイオナノマシン間の分子通信を制御することによって、形成される幾何学構造を制御することを目指す。本研究により得られる知見は、生物発生過程の理解や再生医療の発展に寄与すると考えられる。
これまでに本研究では、バイオナノマシン集団の振る舞いを理解し、制御することを目標として、バイオナノマシン間の相互作用、バイオナノマシンと基質間の相互作用、基質の動体を表現するモデルを構築した。このモデルの評価や改良を行うために、共同研究者とマイクロ流路を用いた実験を行い、実験データを取得する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、渡航計画を実行できなくなり、必要となる実験データを取得できないという状況に陥った。
そこで2021年度には、渡航先で予定していた実験を国内研究機関で行う方法を検討し、一部の実験を実施できた。具体的には、簡易型のマイクロ流路を作成し、生細胞を用いた実験を行った。細胞間の相互作用や、細胞と基質の相互作用を分析した。最終年度となる2022年度には、実験で取得したデータの分析、および、分析結果に基づくモデルの改良を行う。さらに、コンピュータシミュレーションによって、バイオナノマシン集団が形成する構造の制御可能性を調査する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度には、渡航計画にもとづき、米国へ渡航する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、全ての計画を取り消すという事態に陥った。2021年度には、渡航先で予定していた実験を国内研究機関で行う方法を検討し、一部の実験を実施できた。しかし、当初の予定と比較して進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2022年度には、前年度に取得した実験データの分析、および、分析結果に基づくモデルの改良を行う。さらに、コンピュータシミュレーションによって、バイオナノマシン集団が形成する構造の制御可能性を調査する。
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