2022 Fiscal Year Research-status Report
バイオナノマシンによる分子通信を介した自己組織的な形態形成
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18KK0314
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70571173)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 分子通信 / バイオナノマシン / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子通信とは、細胞間通信に着想を得たバイオナノマシンのための通信方式である。本研究では、バイオナノマシンの集団が分子通信を介して相互作用する結果、ある種の幾何学構造を形成することを考える。形態形成における分子通信の役割を理解すること、および、形態形成におけるバイオナノマシン間の分子通信を制御することによって、形成される幾何学構造を制御することを目指す。本研究により得られる知見は、生物発生過程の理解や再生医療の発展に寄与すると考えられる。
これまでに本研究では、バイオナノマシン集団の振る舞いを理解し、制御することを目標として、バイオナノマシン間の相互作用、バイオナノマシンと基質間の相互作用、基質の動体を表現するモデルを構築した。また、このモデルの評価や改良を行うための実験系を構築し、実験データを取得した。さらに、実験で取得したデータの分析、分析結果に基づくモデルの改良、コンピュータシミュレーションによる再現・予測実験を行った。
2022年度には、これまでに得られた共同研究の成果を国際会議において発表した。具体的には、バイオナノマシン集団が形成する構造を2点相関関数を用いて分析した。細胞生物実験およびシミュレーションから得られたデータから、バイオナノマシン集団が最終的に形成する構造はいくつかの種類に分類できること、および、バイオナノマシン集団が最終的に形成する構造はバイオナノマシンの初期密度と空間分布に依存することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度より新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、研究計画および渡航計画を大幅に変更する必要が生じ、研究の進捗は遅れていた。しかし、2021年度には、渡航先で予定していた実験を国内研究機関で行う方法を検討し、一部の実験を国内で実施することができた。また、2022年度には、共同研究の成果の一部を国際会議で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度には、共同研究者が所属する研究機関を訪問し、当該共同研究を遂行できる見込みである。
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