2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on the function of the Old Indo-Aryan reduplicated present
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18KK0325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾園 絢一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (90613662)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 重複現在語幹 / 語根重複 / 古インドアーリヤ語 / インド・ヨーロッパ語比較言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに終えた用例調査に基づき、eで重複する語幹とiで重複する語幹の機能的差異の解明に向けて考察を重ねた。 こうした重複の仕方に基づく機能的差異の問題に取り組む上で、インド・イラン語派以外のインド・ヨーロッパ各言語研究の知見も取り入れるべく、インド・ヨーロッパ各言語の専門家と緊密に連携した。語根重複の機能の解明はインド・ヨーロッパ語比較言語学、さらには言語学一般における根本的課題であり、言語研究の最新の研究成果を検討しながら考察する必要がある。そこでドイツのイェーナ大学比較言語学講研究室と共同でワークショップ12. Jenaer Maikolloquiumを開催を企画し、準備を進めた。同ワークショップは毎年(通例は5月)、イェーナ大学比較言語学講座主催で開催されているが、今回は科研費プロジェクトと共同して開催することになった。本来であれば、2020年3月あるいは2021年9月に開催予定であったが、コロナ感染拡大のため、2021年3月にハイブリッド形式で開催することを決定し、告知したが、オミクロン株の拡大のため、翌2022年5月に開催が延期された(尚、2022年5月3-4日にドイツ国内外の研究者を集めてハイブリッド形式で開催することができた。語根重複の機能に取り組む著名な研究者2名をKeynote speakerとして招待し、本研究プロジェクト代表者の私を含む8名の研究者が各言語の重複語幹に関する研究成果を発表した)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
渡航先機関(イェーナ大学)に定期的に往復し共同研究を行う予定であったが、当該年度はコロナ感染拡大による様々な制限のため、滞在はおろか、渡航することすら、絶望的であった。そのためイェーナ大学をはじめとする海外の研究者と共同で機能の解明に取り組むという面については遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年開催の国際ワークショップ "Jenaer Maikolloquium" の成果をプロシーディングスとして出版することを協議する。またワークショップにおける意見交換、最新の研究成果を取り入れ、重複(*e-reduplicationと*i-reduplicaiton)の機能について得られた考察結果と古インドアーリヤ語の用例調査に基づく分析と照合し、総合的に古インドアーリヤ語の重複現在語幹が担う独自の機能について多面的に検討する。
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