2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the function of the Old Indo-Aryan reduplicated present
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18KK0325
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾園 絢一 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (90613662)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 重複 / 古インドアーリヤ語 / ヴェーダ / インド・ヨーロッパ語比較言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果の一部公開、情報交換・共有を目的として、5月3-4日にイェーナ大学印欧語学講座と共同で国際ワークショップをハイブリッド形式で開催した。コロナ禍以降、中断していたイェーナ大学研究集会Jenaer Maikolloquiumを、本研究プロジェクトが資金を全面的に負担して参画するという形で、開催した。度重なるコロナ感染拡大のために2度の延期を余儀なくされたが、5月に開催された研究集会には、欧米、日本、中国などから、広い世代の印欧語学者が参加し、研究発表と議論を行った。本報告者も研究代表者としてワークショップ開催を企画、実施すると同時に同ワークショップにて研究成果を発表した。発表ではiによる重複を伴う語幹や鼻音挿入語幹が持つと言われてきた作為(factitive)の機能について問題提起を行った。 目下、ワークショップ発表者を中心に重複(reduplication)の問題に携わる専門家による論考を集めた論文集の刊行を企画しており、ドイツの出版社と出版契約を結んだ。重複は現在語幹のみならず、アオリストや完了語幹などにも見られる、生産的な語幹形成法であるため、印欧語学、言語学の一線で活躍する研究者による最新の知見を集約した内容の論文集を刊行し、その成果を本研究プロジェクトに取り入れることを目指している。今のところ、重複の機能に関する新知見は見いだされていないが、今後もイェーナ大学を中心とする研究者と連携しながら、重複現在語幹の機能の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際ワークショップの企画・開催と論文集の刊行準備のため、調査が当初の予定より若干遅れている。またコロナ感染が収束しつつあるとはいえ、様々な制限、その他の事情により、滞在時間が大幅に短かったことが研究連携に影響したため、調査結果をまとめることも予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
国際ワークショップにおける研究発表者を中心に印欧語の重複に関して見識を有する研究者による論文集の刊行を企画しており、既にドイツの出版社と契約した。2023年度内には原稿を揃え、印刷を行い、2024年5月頃の刊行を目指す。
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