2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on the function of the Old Indo-Aryan reduplicated present
Project/Area Number |
18KK0325
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾園 絢一 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (90613662)
|
Project Period (FY) |
2019 – 2024
|
Keywords | 重複現在語幹 / 作為(factitive) / ヴェーダ / 印欧語 |
Outline of Annual Research Achievements |
pipar-, piprc- 等のiで重複する現在語幹の機能の解明に向けて、ヴェーダ語の用例を調査した。iで重複する語幹の中、作為を表示するもの(iyarti「動かす」,jigharti「滴らせる」,piparti「満たす」等)とそれ以外(動作など、例えばjigaati「行く」,bibharti「担う」など)に分けて分析を行った。当初予想していたように、iの機能については、現在語幹のみを対象とした調査では、明らかにすることが難しく、重複アオリストなどの他の重複カテゴリーとも比較し、またイラン、ギリシアの重複現在語幹も考慮に入れつつ、調査を進めていく予定である。pipartiについては、前年度から鼻音挿入型現在prnaati「満たす」と比較しつつ調査を行っており、成果を論文集に寄稿した。この論文集は本報告者とイェーナ大学研究者が編集に携わっている。印欧語における重複に関する7本の論文を収録しており、2024年夏に刊行予定である。論文集にて公開された知見を活用しながら、重複の機能の考察を引き続き進めていく。また重複の仕方と関連して、ヴェーダ語の気息音形ヴァリアントに関する問題を基課題において扱い論文を発表したが、同論文を再検討し、その結果を2023年9月ドイツのケルン大学で開催されたArbeitstagung der Indogermanischen Gesellschaftにて発表した。発表の内容を論文にまとめ国際誌に投稿する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文集の刊行は若干遅れているものの、iで重複する現在語幹の調査は概ね進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
a(PIE *e)で重複する現在語幹とi又はu(PIE *i)で重複する現在語幹の機能について考察した結果をまとめ、速やかに公開することを目指す。
|