2019 Fiscal Year Research-status Report
モンスーンアジアに息づく「遊び仕事」の再評価とその現代的活用
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18KK0326
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
溝田 浩二 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 准教授 (00333914)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | モンスーンアジア / 遊び仕事 / 在来知 / 現代的活用 / 環境教育 / ESD |
Outline of Annual Research Achievements |
巨大な人口を抱えた地球全体で進む急速な近代化と豊かな自然環境の保全との調和は、正解のないきわめて困難な問題である。世界人口の半分を抱えるアジア地域ではコメが人々の胃袋を支え、水田はアジアの原風景となっている。稲作文化を基層においたモンスーンアジア地域には、稲作という生業を基本として多様な「遊び仕事(副次的生業、マイナー・サブシステンス)」が展開されており、そこに内包される徹底した循環思想、持続可能な生物資源利用の知恵と技術は、世界的な人口問題・環境問題の解決へのひとつの糸口となりうる。今ほど「遊び仕事」を再評価し、環境教育/ESD(持続発展教育)の視点から現代的な活用が求められている時代はないように思われる。 本研究では、モンスーンアジア地域で営まれている「遊び仕事」の豊かな世界を明らかにし、そこに内包されている<在来知>をあぶりだすことによって「遊び仕事」を再評価し、新たな環境教育/ESDの構築に挑む。ラオス中部のビエンチャン県(水田地帯)、同国北部のシェンクワン県(森林地帯)を主要フィールドとして、①市場における有用動植物資源の調査、②「遊び仕事」に関するフィールド調査、③「遊び仕事」の再評価とデータベース構築に取り組む。2019年度は本国際共同研究の実施に向けて、基課題の取りまとめを行いながら、ラオス国立大学のカウンターパートとの研究計画の綿密な打ち合わせ、ラオスにおける「遊び仕事」に関する情報・資料の収集、現地調査に必要な物品調達などを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は当初の研究計画どおり、基課題の取りまとめを行いながら、現地カウンターパート(ラオス国立大学地理学研究室のオンシー講師、ラオス国立農林業研究所のセンドゥアン研究員)との研究計画の綿密な打ち合わせ、ラオスにおける「遊び仕事」に関する情報・資料の収集、調査に必要な物品の調達等の研究準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年4月から2021年3月にかけてラオスへ渡航する予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、当面は渡航を延期せざるをえない状況である。新型コロナウィルスが収束しラオスへ渡航できるようになるまでは、現地の「遊び仕事」に関する情報を収集しつつ、そのデータベース構築に着手する予定である。
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