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2022 Fiscal Year Research-status Report

A Study of the Design Theory of Art and Architecture in the Late Umayyad Period

Research Project

Project/Area Number 18KK0327
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

安岡 義文  早稲田大学, 高等研究所, 招聘研究員 (20786496)

Project Period (FY) 2019 – 2023
Keywordsデザイン理論 / イスラーム建築 / 後ウマイヤ朝 / プロポーション / スポリア / 柱頭 / 幾何学
Outline of Annual Research Achievements

2022年度はコロナ禍での海外研究滞在の際に生じる渡航上の手続きや研究所の受入制限などの規制が緩和され始めたことを踏まえ、スペインでの海外研究滞在を行い、マディーナト・アッ=ザフラー王宮付属博物館での遺物調査を行い、採取したデータの分析と文献調査に重点を置いて研究活動を行った。具体的には、王宮内の「謁見の間」と呼ばれる部屋に用いられていた柱頭を対象として三次元測量を行い、それから生成した3Dモデルによって寸法およびプロポーションの分析を行った。その結果、マディーナト・アッ=ザフラー王宮の柱頭は、立方体、すなわち立面における正方形を基本とした形をモデュール・システムによって割り付けていく技法によってデザインされていたことが明らかになった。ローマ人建築家ウィトルーウィウスの記したコリント式柱頭の設計方法と似たモデュール・システムでありながら、正方形を基準とする後ウマイヤ朝のデザインの仕方には、独自性も認められ、この技法がこの王朝によって編み出されたものなのか、あるいは古代末期に一般的に知られていたものであるかについては、今後さらに、西ゴート王国やビザンツ建築に用いられている柱のプロポーションを吟味するなど、分析対象を拡げて検討していく必要がある。
スペインのアンダルシア地方を治めた後ウマイヤ朝は、独自の建築様式の確立を目指し、領土内あるいは周辺地域にある優れた建築および遺跡をおとずれ建築装飾や建築表現について情報収集を行っていたと考えられる。情報収集先の具体的な遺跡は不明だが、コルドヴァの大モスク(メスキータ)やマディーナト・アッ=ザフラー王宮にみられるコリント式柱頭やコンポジット柱頭は明らかにローマ帝国の建築遺産を引き継いでおり、理想の建築の姿を同時代のキリスト教国からではなく、古代の大帝国に求めた点が指摘できたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍により、研究滞在が実施できなかった年度が複数あり、また研究滞在ができた年度も、同状況下において現地スタッフの出勤や研究代表者の行動が制限されていたなど、申請時想定した通りの効率で実測調査が進められなかったため。

Strategy for Future Research Activity

コロナ禍により、これまで最終年度を2回繰り越してきたが、2023年度は5類移行に伴い最後の研究滞在を行い、最終成果の出版に取り組んでいきたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Book (1 results)

  • [Book] 西洋の名建築 解剖図鑑2023

    • Author(s)
      川向 正人、海老澤 模奈人、加藤 耕一
    • Total Pages
      176
    • Publisher
      エクスナレッジ
    • ISBN
      9784767823348

URL: 

Published: 2023-12-25  

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