2021 Fiscal Year Research-status Report
1950年代の放射線被ばく影響をめぐる日本人科学者の発信と国際的な議論
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18KK0330
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中尾 麻伊香 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10749724)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 原爆 / 放射線被ばく / IAEA / UNSCEAR / ビキニ事件 / 医学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下のように研究を進めた。 ・昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症拡大のため、現地での調査が難しい状況であったため、オンラインを活用した研究活動を行った。 ・各種データベースを用い、1945年から1960年代にかけて国際的な学術雑誌で発表された原爆の人体影響に関する医学論文の収集を行った。また、動植物や環境への原爆の放射能影響に関する論文について調査した。データベースで得られた内容を整理し、これまでに調査した内容とあわせて分析を進めた。 ・長崎における残留放射能調査と被爆地域拡大運動について調査し、日本科学史学会年会シンポジウム「放射線被曝をめぐる科学史・科学論の課題――福島原発震災から10年」で報告した。また、この内容に関して、広島での残留放射能、黒い雨の調査の分析とあわせて英語論文にまとめた。(書籍の1章として出版予定) ・メディアにおける原爆被害と放射線被ばく影響に関する言説を分析した内容について、ライプツィヒ大学とケルン大学の研究者たちが主催するオンライン連続講義プログラム「原爆と原発の間を揺れ動く日本: メディア・プロパガンダ・サイエンス」 で、"Making Radiation Effects (In)Visible: Discourses and Representations on Atomic-Bomb Victims"と題して講演を行った。この内容をまとめた論文を執筆した。(書籍の1章として出版予定)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大のため、今年度も現地での調査が容易ではなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、渡欧して、現地での調査を試みる。また、本研究課題の成果をまとめ、アウトプットしていく。
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