2020 Fiscal Year Research-status Report
Starting a foundation for the paleographical comparison of medieval documents: Japan, China, Korea and Europe
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18KK0335
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 雄基 立教大学, 文学部, 准教授 (00726573)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 古文書学 / 日本中世史 / 比較史 / 史学史 / 史料論 / 日欧比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度中の渡航を目指してその準備を進めた。 比較古文書学に関わる二つの論文集に論文を寄稿した。一つは、『古文書の様式と国際比較』(勉誠出版)に「中世日本における書状の広がりー古代書状論・「公文書化」論を中心にして」を寄稿した。日本中世文書の特徴の一つである書状形式の文書の広がりに関する概論であるが、日中比較を意識している。もう一つは『儀礼・象徴・意思決定: 日欧の古代・中世書字文化』(思文閣出版)に「古文書学の視角化」を発表した。視覚情報として古文書を捉えたときの日欧の古文書の比較考察をまとめたものである。この二つの論集、およびその準備段階の共同研究に参加することによって、日欧および日中(東アジア)という複眼的な視点をもって比較史料論に取り組む準備作業を進めることができた。また、古文書学に関しては「古文書学を学ぶ人のために」という研究動向論文も執筆した。社会史を経た現代歴史学を特徴づけるのは「史料論」の隆盛であるが、史料論全盛のなかで古文書学の新たな可能性を探ったものである。 比較史・史学史的な観点から語圏における日本中世史研究の研究状況について調査を進めめつつ、20世紀前半にアメリカ合衆国で活躍した日本史家朝河貫一に関する史学史的研究を行い、口頭発表や翻訳・注釈を行った。 コロナ禍のなかオンライン開催の学会・研究会が一般化したが、それによって様々な学術交流を行うことができた。その一つである日本中世史史料の英訳ワークショップ(歴史家ワークショップの黄霄龍氏が主催)に参加、「御成敗式目」や中世古文書(書状を含む)の英訳にあたり、その成果の一端および史料英訳について考察した内容を小論「日本史研究者が史料の英訳から学んだこと」として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために海外渡航ができず、事前の調査・打ち合わせのために予定していた出張も実施できなかったなど、準備が必ずしも順調に進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度中の渡航を目標としている。但し、コロナ禍のために当初予定していた渡英を延期しているために、当初の予定よりも3か月ほど短い滞在期間となる予定である。そのために、期間延長を行い、2022年度中に追加出張・調査を行うほか、当初最終年度に予定していた国際ワークショップなどを22年度秋頃に行うことを視野に入れている。
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Research Products
(11 results)