2020 Fiscal Year Research-status Report
国際基準にもとづく性的マイノリティの法政策に関する国際比較研究
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18KK0339
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷口 洋幸 金沢大学, GS教育系, 准教授 (90468843)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | LGBT / 人権 / 市民権 / 性 / 安全保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
性的マイノリティの権利保障がヨーロッパ地域を中心に展開され、確立されてきた性の権利(sexual rights)は、1990年 代にデイビッド・エヴァンズが提唱した性的市民権(sexual citizenship)の概念とどのような関係にあるのか。本年度は性的市民権に関する先行研究および最新の研究知見を踏まえながら、権利や義務だけでなく、国家や市場との関係を捉えながら、性についての自由かつ平等な社会参画のあり方を議論する理論的基盤の構築を模索した。特に「人間の安全保障(human sexurity)の概念になぞらえた「性の安全保障(sexual security)」という新たな概念の可能性について検討し、国境を超えた、また、国境を移動する現象に着目しながら、性の権利と性的市民権の2つの概念を包摂する理論的な可能性を検討した。前年度はヨーロッパにおける国際人権基準の適用に関する比較研究を行い、国際人権の活用に関する捉え方の特徴について知見を得ることができた。今年度はこれに加えてオーストラリアにおける国際人権基準の適用に関する理論的な知見を得ることができた。これらの成果を総合する形で、「性の安全保障」の具体的かつ実践的な概念としての有用性についての研究にも着手している。また、現在その成果を論文としてまとめるとともに、研究期間を通して交流してきた研究者や実務家を交えて意見交換を行いながら、最終のまとめとしての公開シンポジウムの開催を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究は結果を出せる目処がたってきた。ただ、オーストラリア滞在中に国内の関係する研究者との研究交流を予定していたものの、COVID19の影響から州境移動が禁止されるとともに、州内でも直接の対話が困難となった。このためオンラインによる意見交換となり、直接対面での意見交換よりも内容が少し浅いものとなってしまったところがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究成果をまとめて査読誌への投稿を予定している。また、本研究課題の過程で交流してきた共同研究者や研究協力者らを集めて、オンラインの公開シンポジウムを企画している。
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Research Products
(2 results)