2022 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study for International governance on assisted reproductive technologies.
Project/Area Number |
18KK0340
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
日比野 由利 金沢大学, 融合科学系, 助教 (40362008)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 生殖補助医療 / 出自を知る権利 / 法制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
この国際共同研究では、生殖補助医療の法制度、特に出自を知る権利に関する先進的な施策で知られるオーストラリアで研究を行うことで、日本の法制度の構築にとって参考になる知見を得ることを目的とした。日本でもテリングの重要性や出自を知る権利の保障が、生殖補助医療の適正な実施や法制化にとって必須の課題であることが認識されて久しい。特に、オーストラリアのビクトリア州でドナーの匿名性の遡及的廃止が行われたことは世界と日本に波紋をもたらしていることから調査地として選んだ。 ディーキン大学のソニア・アラン氏と共同研究を行うため、オーストラリア・ビクトリア州のメルボルンに滞在した(その後、ソニア・アラン氏は、西シドニー大学に異動した)。ソニア・アラン氏は、健康法が専門であり、生殖補助医療、特に出自を知る権利について長年、当事者とともに法制度の構築に向けて取り組んできた研究者である。州政府の依頼で法律のレビューも行なっている。ソニア氏は、研究代表者が滞在中、国連で複数の当事者とともに出生殖補助医療の規制と自を知る権利の承認を求めるスピーチを行なったが、このスピーチに出席した当事者らにインタビューを行うことができ、報告書に収載した。オーストラリアに滞在中、西オーストラリアや南オーストラリア州(ともにソニア氏が法律のレビューを実施し報告書を提出している)など、国内では詳しい報告が行われていない地域についても情報収集を行うことができた。パンデミックの広がりを受け、2020年3月下旬に日本に帰国した。その後、やりとりを続け、本研究の成果として、共著論文を2報、出版した。また、オーストラリアの滞在中に知り合った研究者と共著論文を投稿した。
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