2021 Fiscal Year Research-status Report
過疎発現下のモンスーンアジア農村におけるネオ内発的発展の可能性
Project/Area Number |
18KK0344
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
筒井 一伸 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50379616)
|
Project Period (FY) |
2019 – 2022
|
Keywords | 田園回帰 / 地域資源 / コミュニティ / 農山村 / インターローカル / ベトナム / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ヨーロッパにおいて2010年代以降議論が活発になった農村におけるネオ内発的発展の適応可能性をベトナムを中心に精査し,さらにモンスーンアジアへの適応可能性の試論を検討することを目的とする。その際,農村空間を「コミュニティ空間」と「生産空間」に区分して,都市からの多様な資源が空間変容にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにする。具体的には,フエ大学を拠点にベトナム農山村でのヒアリング調査やアンケート調査といったフィールド調査を積み重ねることで基本的なデータを集めるとともに,内発的発展論のチェックポイントを参考に検討を試み,ベトナム地理学会での議論を経て,ベトナム語での研究成果の書籍化を企図する。 COVID-19の世界的な広がりと国家間移動の制約などから,2021年度内に予定をしていた海外渡航が中止となった。そのため,予定をしていたベトナム農村でのフィールド調査はできなかったが,カウンターパートの研究者に協力を仰いで,ベトナムにおける農村合作社に関する行政資料などを収集して論点整理を進めた。また,ネオ内発的発展に関する日本国内の実践事例の知見を学術書『新しい地域をつくる―持続的農村発展論―』所収の「新しい「しごと」をつくる」や『地域人材を育てる手法』所収の「なりわいの継承と支援リレー」として,また「里山と田園回帰―関係をひらく「ふるさと資源」試論―」や「継業がつくる農山村の未来」などの論文を発表した。これらの研究実績は,COVID-19による制約が落ち着いた際に実施をする予定のベトナム農山村でのフィールド調査においても,参照可能な研究成果であると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の世界的な広がりと国家間移動の制約などのために遅れているが,オンラインでの海外の研究者とのやり取りを進めて入手をした本研究プロジェクトの基礎資料準備については引き続き進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度に入って,受け入れ側のベトナムの制約が緩和されてきており,また所属機関の海外渡航についても門戸が開かれつつあるため,2022年度の早い段階から渡航準備を進め,8月くらいからの現地での共同研究を進めることを計画している。
|