2022 Fiscal Year Research-status Report
過疎発現下のモンスーンアジア農村におけるネオ内発的発展の可能性
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18KK0344
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
筒井 一伸 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50379616)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 田園回帰 / 地域資源 / コミュニティ / 農山村 / インターローカル / ベトナム / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はヨーロッパにおいて2010年代以降議論が活発になった農村におけるネオ内発的発展の適応可能性をベトナムを中心に精査し,さらにモンスーンアジアへの適応可能性の試論を検討することを目的とする。その際,農村空間を「コミュニティ空間」と「生産空間」に区分して,都市からの多様な資源が空間変容にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにする。COVID-19の国家間移動の制約が緩和されたことから2022年8月から10月にかけて第1回のベトナム渡航を実施し,ベトナム農村でのフィールド調査を実施した。具体的にはフエ大学傘下のフエ科学大学に加えて,ダナン師範大学,クイニョン大学などの協力を得て,幅広い研究者ネットワークを形成して,ネオ内発的発展における住民参加の実践を伴う10のテーマの地域参加型研究(CBPR)を開始した。その後,2022年12月および2023年3月に訪越し,CBPRを通したネオ内発的発展の課題の確認を行った。 CBPRを企画及び実践する過程の中から,「コミュニティ空間」に関連して「地域での生活価値観の醸成」が,「生産空間」に関連して「地域内経済循環の構築」が,ネオ内発的発展を基礎とした地域づくりにおいて重要であることを確認したため,具体的には,筒井一伸「地域のなりわいを地域で引き継ぐ継業のススメ」『みんなでつくる中国山地2022生業号』(中国山地編集舎編),中国山地編集舎や,木原奈穂子著・筒井一伸監修『農村地域の仕事と働き方――「らしさ」を活かす働き方の最前線』今井出版など,参照軸となる日本国内を事例にした研究業績をとりまとめた。またベトナムに関連する研究業績としては「地理統計学的手法に基づくトゥアティエンフエ省における環境保護に関する目標実現結果の評価」第13回全国地理学会議論文集2巻(ベトナム語)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19による研究対象地域での活動の制限や日本国内での業務調整などのため一時帰国が必要であったが,合計約4か月のベトナム滞在による研究を行えた。事前にオンラインでの海外の研究者とのやり取りを進めていたこともあり,ベトナムでは新しい研究スタイルであるCBPRを導入して,特にベトナム人の若手研究者との国際共同研究の広がりを意識した研究活動を実践中であり,研究活動自体はおおむね順調である。しかしCOVID-19影響が完全になくなったわけではなく,スケジュール的な意味での進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,一時帰国中に海外共同研究者を中心に進めているCBPRの実践報告をオンラインで随時確認をするとともに,8月から約2か月間の現地での共同研究を進める計画をしている。
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[Book] 地理学事典2023
Author(s)
公益社団法人日本地理学会
Total Pages
842
Publisher
丸善出版
ISBN
978-4-621-30793-9
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