2021 Fiscal Year Annual Research Report
Globalization and Industry Agglomeration
Project/Area Number |
18KK0348
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清田 耕造 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 教授 (10306863)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 構造グラビティ・モデル / 中間財 / 最終財 / 通商摩擦 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでの共同研究から着想を得た通商摩擦の研究を継続・深化させることに注力した.その概要は次の二点にまとめられる.第一は,ハワイ大学のTheresa Greaney教授,ソウル国立大学JaeBin Ahn教授と取り組んでいるボイコット運動の影響に関する研究である.Greaney教授,Ahn教授との国際共同研究では訪日外国人の数に注目し,ボイコット運動が訪日外国人数に及ぼした影響を都道府県レベルで明らかにしている.近年の国際貿易に関する研究では経済活動の安定のために貿易相手国の多様化の重要性が指摘されている.この指摘を踏まえると,韓国からの訪日外国人に大きく依存している都道府県ほど,ボイコットの影響が大きいことが予想される.本研究では,この予想に関する統計的な検証を試み,上記の予想が概ね支持されることを確認した.
第二は,近年の通商摩擦の影響に関する研究動向の文献サーベイである.上記の通商摩擦の研究に関連して,昨年度,日本国際経済学会第79回全国大会において,近年の通商摩擦の影響に関する研究動向についての講演を行った.この講演を元に近年の通商摩擦に関するサーベイ論文を執筆し,日本国際経済学会の学会誌であるThe International Economyに投稿した.投稿した論文は審査員の審査を経て,掲載が認められた.
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