2020 Fiscal Year Research-status Report
Comparative cultural clinical psychology research based on international joint research aiming at elucidation and avoidance of superficial listening in inexperienced therapists
Project/Area Number |
18KK0349
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
花田 里欧子 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (10418585)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 傾聴 / 初学者 / うわすべり / 臨床心理学 / 臨床心理面接コーパス / 感情推移観測システム(EMO system) / 認知科学 / 聴覚・音声学 |
Outline of Annual Research Achievements |
初学者における傾聴のうわすべりの解明とその回避の手続きを、日本語母語話者以外の臨床心理面接にも発展させることで、傾聴の文化的な共通性と多様性を明らかにし、解決を促進するため、次のように実施した。1.基課題及び海外の臨床心理面接コーパスに対し、本手続きを適用、比較文化臨床心理学の枠組を構築、2.基課題の感情推移観測システム(EMO system)を海外の関連研究者と議論・共有、3.論文共同執筆。 1.については、University of Maltaで、イギリス英語、オーストラリア英語、アメリカ英語、マルタ語、チェコ語、クロアチア語、イタリア語、ドイツ語、ポーランド語、ギリシャ語、asante twi語、中国語、を母語話者とする話し手と聴き手による対話データを新たにコーパスとして収録することができ、傾聴のうわすべりの解明とその回避が実現可能かどうかの検討をすすめている。 2.については、University of Malta他の機関に所属する関連研究者や臨床家を集め、定期的にミーティングを実施し、データの整備と並行してデータの活用について検討をすすめている。 3.については、University of Malta他の複数の機関によって構成されるlinguistics circleにおいて、日本から持参する臨床心理面接コーパス及び1.に対する感情推移観測システム(EMO system)による評価を比較し、成果を発表する(2021年5月予定)。また、一連の研究の成果をもとに、University of Malta他の機関に所属する関連研究者や臨床家とともに、主に若者や子どものメンタルヘルスに資するアプリケーションや音声システムの開発・公開をすすめている(2021年6月予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題が提案する、1.基課題及び海外の臨床心理面接コーパスに対し、本手続きを適用、比較文化臨床心理学の枠組を構築することについて多言語からなるコーパスを準備することができ、2.基課題の感情推移観測システム(EMO system)を海外の関連研究者と議論・共有することについて一定の頻度で打ち合わせを通じて実施することができ、3.論文共同執筆を計画することについて成果の発表や関連ツールの開発・公開をすすめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響を受けて、現時点でアメリカでの機関における研究環境等はまだ完全に回復していないため、研究の推進には遅れが見込まれるが、オンライン等のツールを活用しながら、マルタですすめた研究を引き続きアメリカで展開できるようはかる。
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Research Products
(4 results)