2020 Fiscal Year Research-status Report
Hospitality and Property: The Right of Natural Communication in Early Modern Hispanic World
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18KK0366
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
松森 奈津子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (80337873)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | ホスピタリティ / プロパティ / 他者 / ビトリア / スアレス / モリナ / ラス・カサス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、キリスト教君主論―世俗権力は宗教権力から自律してはいるが、カトリシズムに基づく法と正義を尊重すべきだとする理論―を、古来のホスピタリティ論―他者の歓待論―の系譜に位置づけて再検討し、異文化間秩序を探究した初期近代スペインの思想家の重要性を、より明確に提示する試みである。その目的は、第一に、サラマンカ学派と周辺の思想家のカトリック的他者理解を考察すること、第二に、それを古代中世の異人歓待概念からプーフェンドルフやカントを経てデリダやベンハビブに至るホスピタリティ論の文脈に位置づけることにより、初期近代スペインの意義を模索することにある。 具体的な計画は、3年間を予定している。外国機関が複数にまたがること、また国内外双方に成果を還元することから、国内における研究活動も必要になる。このため、5つの外国機関への渡航は3回に分けて行い、この間に集中的に研究者たちと協議し、資料収集や成果報告を行う。国内滞在期間は、国外での研究成果を、講義、セミナー、研究会などで広く発信するとともに、学術論文等の執筆に取り組む。 2020年度は、交付申請書ではハーバード大学に客員研究員として所属し、上記第二の目的を達成する予定であった。けれども、新型コロナウィルス感染症の流行により、海外渡航ができなくなった。このため、代替の形の学術交流、資料収集、成果発表として、①オンラインによる学術協議、②国内利用可能図書館での資料調査(相互貸借制度の活用を含む)、③オンラインによって国際学会報告や公開セミナー開催などを行った。この事情に伴い、執行不可能となった渡航経費を、オンライン整備費や感染症対策費等、新たに必要となった経費として使用した。 以上により、外国機関での作業は遂行できなかったが、代替方法により、当初予定していた第二の目的は達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症の流行により、国内外で渡航制限が敷かれたため、予定していた外国機関での業務遂行はかなわなかった。けれども、代替方法により、本年度に遂行予定であった本研究の第二の目的が達成され、見込まれていた成果物も刊行できた。 以上により、ほぼ計画どおり進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、当初予定の研究総括に入る予定である。もっとも、コロナ禍が継続しているため、今年度滞在予定だったハーバード大学と来年度滞在予定のシドニー大学での調査が行えない可能性がある。その場合には、研究期間の延長も含めて、新たな対応が必要になる可能性もある。
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Research Products
(5 results)