2019 Fiscal Year Research-status Report
Research for complementarity in sustainable management
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18KK0367
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | サステナビリティ経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では,第一に共同研究者のドレスデン工科大学,神戸大学のチームとともに,マテリアルフローコスト会計( MFCA)を中心とする資源生産性管理のための環境管理会計の利用実態と,その利用に影響を与える組織の環境マネジメントのデザインとの関係を分析している。先行する研究プロジェクトで収集した日本企業への質問表調査データを用いて資源生産性管理のための管理会計には,マテリアルフローをベースとし,財務,非財務情報を組み合わせながらマネジメントを行っていく側面と,エンドオブパイプで財務情報をベースに資源生産性管理を行っていく側面とがあることが明らかになった。また調査データは異なる環境マネジメントコントロールシステムの要素が,それぞれの環境管理会計の側面の利用を促していることも示している。 第二に,外部へのアカウンタビリティと内部マネジメントとの関係性について,日本企業の経営トップメッセージへのテキストデータの分析を通じて分析を行っている。Rのstmパッケージによるstructural topic modelingを用いて,テキストデータを分析している。これにより企業のサステナビリティ戦略について,他社に先行して先進的な取り組みを展開していくearly adopter企業と,先行する企業の動向を踏まえながら自社の対応を行っていくlate majority企業にと分類することができた。また企業のサステナビリティ戦略へのconsistencyについても合わせて評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度末までの段階は,当初からその後の研究プロジェクトで利用するためのデータの収集や前処理,また実験の予備調査などを計画していた。テキストデータの収集は完了し,対応する企業の環境データとの連携なども順調に進んでいる。実験についても,予備調査として学部学生を参加者として実験を複数回行い実験のセッティングを調整してきた。その意味で,2019年度の研究活動はおおむね順調に進展していた。 COVID-19の影響で,2020年2月以降に予定していた海外渡航や研究打ち合わせに一部支障が出ている。実験については2月にオーストラリアで打ち合わせする予定であったが,渡航が中止になり,ネット上での打ち合わせに変更となった。また当初の研究計画では2020年3月から共同研究を行うドイツのドレスデン工科大学への渡航を予定していたが,COVID-19の影響で一時中止となった。2020年6月には共同研究者とともに共同で学会のセッションコンベナーを担当することや,国連大学でのセミナーでの研究発表を予定していたが,現状は,WEB上で対応できるものは実施し,それ以外は延期している。
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Strategy for Future Research Activity |
状況が落ち着いた段階でドイツへの渡航を計画しているが,COVID-19の社会的影響は長期化する可能性も高いため,ウェブベースでの打ち合わせなどを実施して研究を進めている。ただし現地での企業調査などについては困難になっているため,今後,研究計画の大幅な変更が必要となる見込みである。今年度の方針としては,以下のように計画している。第一に資源生産性管理のための環境管理会計の利用と促進要因に関する論文の作成を優先する。第二に,経営者メッセージのテキスト分析を今年度中に進捗させる。第三に,実験はウェブベースで被験者を募り,実施する。
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