2021 Fiscal Year Annual Research Report
Joint international research for expanding and enriching geographical multilevel data
Project/Area Number |
18KK0371
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40460589)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2021
|
Keywords | マルチレベルデータ / 系統的社会観察 / 街路景観 / クラウドソーシング / ポートランド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個人と地域の情報を併せもつ「地理的マルチレベルデータ」構築の可能性を、国際共同研究を通じて発展させる目的で計画された。海外渡航期間を中心としてこれまでに得られた知見は、インターネット社会調査の設計およびそのデータに結合する様々な地理的データ収集と指標作成に活用された。社会調査は基課題において実施済みであり、今年度はそのデータを各種の地域指標に紐づけて地理的マルチレベルデータを構築し、それを用いた統計分析を進めた。特に地理的マルチレベルデータに必要となる地域データについて、2020年国勢調査の段階的な公開に合わせて各種指標を整備するとともに、街路景観画像の系統的観察や街路の接続性を考慮した近隣環境指標の拡張可能性を検討した。これらの研究から得られた知見の一部は、順次学会で発表し、論文としても投稿準備を進めている。また米国・ポートランドを対象地域とした系統的社会観察の国際比較については、新たに時系列比較に適した手法を用いた統計解析を終え、論文執筆を進めた。そのなかで、近年急激な発展がみられる機械学習を利用した手法との比較を念頭に議論を重ね、クラウドソーシングを利用する手法の利点と課題、将来的な発展の可能性などを整理した。長引くコロナ禍のため海外共同研究者との密な議論は依然困難であり、成果の公表は予定より遅れているものの、地理的マルチレベルデータの構築・分析・公開という基課題に対して、その深化・拡張を図るという本研究の目的は一定程度達成しえたと考えられる。
|