2023 Fiscal Year Annual Research Report
Projection of Educational Pairing-specific Fertility: An Application of Two-sex Fertility Model
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18KK0374
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
福田 節也 国立社会保障・人口問題研究所, 企画部, 第2室長 (90409433)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 出生 / ジェンダー / 両性出生モデル / センサスデータ / 国際比較 / 形式人口学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本基金による研究により、スペイン・バルセロナのバルセロナ自治大学人口研究センターで3か月間、オーストラリア・キャンベラのオーストラリア国立大学人口学部で6か月間の研究滞在を行い、現地研究者との共同研究により「両性出生モデル(two-sex fertility model)」という男女両性の属性組み合わせ別出生率をモデル化して分析する手法についての研究を進めた。研究期間中、2本の英語論文(いずれも査読付き国際共著論文でうち一本は第1著者)と2本の日本語論文(いずれも単著うち一本は査読付き)を刊行した。英語論文については、2本とも両性出生モデルの前提となる両性結婚モデルに関する内容であるが、発行雑誌のEditor's Choice awardや日本人口学会の優秀論文賞を受賞することができた。また、日本語論文においては、両性出生モデルの利用により、1)高学歴女性の期間出生率は結婚難による制約を強く受けていること、2)結婚難による影響を統制した両性出生力の変動を分析することによりジェンダー公平と出生力との関係がより明瞭に解釈しうることを示した。上記の知見は、国際的にもまだ広く知られておらず、今後、共著者らと英語論文として刊行することで世に問いたいと考えている。また、同基金を活用して、国際学会で3回、国内学会等で2回、滞在先大学のセミナー報告を2回行う機会を得た。これらの機会を通じて、当初予定していた共同研究者のみならず、その同僚や指導学生、報告の参加者などに広く研究の意義を知っていただき、ネットワークを構築する機会を得ることができた。また、これらの研究交流を通じて、両性出生モデルを用いた要因分解等の新たなアイデアも生まれてきた。研究成果の国際発信については、期間中に終えることができなかったが、本プロジェクトで構築したネットワークを生かして、今後も成果発信を続けていきたい。
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