2019 Fiscal Year Research-status Report
Efficient terahertz emission based on spin caloritronics
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18KK0377
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水口 将輝 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50397759)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | スピンエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超短パルスレーザーを用いたスピンダイナミクスの研究手法を取り入れることにより、スピンカロリトロニクスを基軸とした高効率テラヘルツ波の発生機能の開拓を目指すことである。具体的には、熱磁気効果を用いて全く新しいテラヘルツ波の発生原理を実証し、その高効率化を図ることを目的とする。今年度は、3月に交付申請を行い、研究活動を開始したところである。そのため、今年度の研究期間が約1ヶ月間に限られたため、実質的な研究実績についてはほとんどないが、渡航前の準備として、強磁性金属多層薄膜の試料の準備を開始し、渡航先の研究者との研究内容の調整を行った。膜厚が数ナノメートル程度の鉄やコバルトなどの強磁性遷移金属元素の薄膜を複数回積層することにより、強磁性金属多層薄膜を作製した。試料の作製はスパッタリング法により室温で行い、作製後に超高真空中で熱処理を行った。各層の膜厚を変化させた複数の試料を作製した。作製した試料の結晶構造をX線回折により同定した。また、試料の磁気特性を振動試料型磁力計で調べた。その結果、試料は設計どおりに作製されており、その物性は、超短パルスレーザーを用いたスピンダイナミクス計測に適したものとなっていることが確認された。これらの試料について、具体的な測定の手法や測定時期などについて、渡航先の研究者と詳細な議論を行った。これにより、今後の研究の方向性と研究計画を立案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度以降の渡航と研究の展開に向けて、準備がおおむね順調に進んでいる。渡航先の研究者とは、具体的な試料の構造や測定の手順などについて議論を重ねており、渡航後の綿密な研究計画が立ちつつある。また、研究計画に沿った試料の準備や、渡航中の国内での代替要員の確保も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、渡航前に全ての試料の準備と渡航後の研究スケジュールの立案を完成させる。その後、実際に渡航して研究を開始する。まず、強磁性金属に対してフェムト秒レーザーを照射することにより高速な熱勾配を局所的に生じさせる。短パルス熱流が金属内で伝播することにより、超高速な熱磁気効果の電圧信号が得られるため、テラヘルツ波が発生すると考えている。帰国後は、得られたデータを元に、データの整理と解析を行う。同時に、この原理の理論的な解釈を行い、実験への効率的なフィードバックを図る。
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