2022 Fiscal Year Annual Research Report
The measurement theory of heat current fluctuations through nanoscopic quantum conductors
Project/Area Number |
18KK0385
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内海 裕洋 三重大学, 工学研究科, 准教授 (10415094)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 物性理論 / メゾスコピック系 / 非平衡量子輸送 / 熱量揺らぎ測定 / 情報通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では、基課題(基盤研究(C)「メゾスコピック量子導体における情報流・熱流・電流のゆらぎ」研究課題17K05575)において構築した情報エントロピー(エンタングルメント・エントロピー)・熱量(熱力学的エントロピー)・電荷量の揺らぎ相関についての理論研究を、実験研究とつなげることを目的としている。前半の派遣(2019年10月-2020年2月)の後、コロナによる渡航制限のため2年の延期および修正変更を経て、本年度に後半(2022年7月-10月)の派遣が行われた。 本年度は、「計画1-1)熱流揺らぎ分布測定理論の構築」の研究の続きとして、渡航先のアールト大学で共同研究者と議論を進めた。摂動論を用いることで実験と比較可能な完全計数統計理論の構築を試みているが、研究計画に遅れがでているため、今後もオンラインで共同研究を続けて、論文として成果をまとめることとなっている。また、関連した成果として、主な海外共同研究者と共同研究で得られた成果、(揺らぎを用いたブラウニアン計算理論)を、国際会議(ISQM'22)で発表している。また、研究協力者とともに、量子開放系に関して状態間の距離と量子アクティビティについての速度限界について新たな成果を得て論文にまとめた。得た知見を、揺らぎ分布測定理論へ適用することを進めている。また、共同研究者との量子輸送に関しての議論を生かして、カイラル分子接合の量子輸送に関しても成果を得ることができた。
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