2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the Solomon-Terao complexes by using D-module theory
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18KK0389
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 拓郎 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (50435971)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 超平面配置 / 対数的ベクトル場 / D加群 / Liouville複体 / Solomon-寺尾代数 / 対数的イデアル / Bernstein-佐藤多項式 / 対数的比較定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまで滞っていた研究計画が一気に進展し、これまでの遅れを取り戻すことに成功した。何と言ってもコロナ禍が一段落したことで、海外研究者の招へいが部分的に可能となったことが非常に大きい。その中でまずは、2023年1月に九州大学において、超平面配置の代数を中心とする国際研究集会を5日間開催したことが研究実績としてあげられる。オンラインでの研究は継続していたものの、どうしても時差の問題や参加できる研究者の数に制限があり、多数の研究者が一堂に会することでの集約的、かつ総合的な議論を行うことは困難であった。今回はそれらの不利益がない対面集会であり、コロナ禍の間の超平面配置の代数的進展に関する情報収集及び研究議論を行うことで、研究の基礎部分が一気に固まった。 更に2023年2月には、本研究課題と関連が深いGraham Denham氏、Uli Walther氏、更に関連研究で頭角を現している若手研究者のDan Bath氏を九州大学に招聘し、一週間集中的に議論を行ったことも大きな研究実績である。この中で、Liouvilleイデアル、代数、複体のみならず、先の研究集会でも講演があったAvi Steiner氏とDenham氏の共同研究として得られている対数的イデアルの幾何学も、Solomon-寺尾代数と関係が深いことが新たに判明し、研究は加速的に進展した。Solomon-寺尾代数はこのようにD加群やmaster functionが関連する代数・幾何・表現論におけるもっとも基本的な構造としていたるところに自然に表れることが観察されており、Solomon-寺尾代数を中心としてこれらの理論が統一的に理解されることが期待される。 更に同時期、超平面配置とD加群に関する研究集会を九州大学で開催し、最新の知見を得ることで研究が大きく進展することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により海外渡航・招聘が制限されており、本研究課題の主目的たる長期の海外滞在はおろか、短期であっても海外渡航や招聘を用いた研究打ち合わせ・情報収集・成果発表ができない時期が長く続いていた。それが2022年度になりようやく少しずつ緩和されたことで、本年度は二度の国際研究集会を開催することができ、そこで多くの最新の研究情報の収集、及び多くの海外研究者との研究打ち合わせを行うことができた。更に2023年2月には本研究課題の中核的なテーマに関する研究業績があるGraham Denham氏らを九州大学に招聘し集中的に議論することで、これまでの進展の情報共有のみならず、新しいトピックについても議論を深めることができた。これらにより、これまで滞っていた議論と研究の流れが一気に回復され、進展されたことを鑑みて、研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はコロナ禍が落ち着いてきたことを受けて、海外渡航に踏み切る考えである。まずドイツのボーフムを訪問し、Gerhard Roehrle氏とD加群と超平面配置の代数群的側面を可能な限り長期間議論する予定である。更に研究計画の全体を理解しているGraham Denhamをカナダに訪問することで、研究を一気に進展させることを考えている。Denham氏はサバティカル取得予定なので、訪問地はカナダではないかもしれないが、適宜調整を加えて長期間の議論を実施する。
また2023年度の終わりに本課題の総まとめとなる研究集会を国内で開催予定である。D加群と超平面配置及び関連分野に関する研究を一気に進展させることを、本集会の開催を通して目指したい。
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Research Products
(6 results)