2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between short-term slow slip event, intraslab earthquakes and stress change in the oceanic slab
Project/Area Number |
18KK0392
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
北 佐枝子 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (10543449)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | スロースリップ / スラブ内地震 / DAS / 地殻流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,新型コロナウイルスの影響で渡航先より延期の要請があったため,1月に渡航した. 渡米後は,同大学の地球惑星科学科のRoland Burgmann教授とは1回の研究打ち合わせを行い,マントルウエッジと呼ばれる領域での地震活動が,スロー地震と連動して発生している可能性について精査を続け,関係モデルについて構築している.また,南カリフォルニア大学のHeidi Houston教授とも,週に1回2時間程度の研究打ち合わせを行ない,応力変化の時空間変化と,プレート境界でのゆっくりすべりの時空間変化とが対応することを見つけ,地震活動及びスラブ内の応力場のモニタリングの方法が,想定東南海地震の断層面を含む紀伊半島でのプレート境界の状態監視に使える可能性を示した.この内容をまとめた論文は学術誌に投稿した(現在査読中).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は,当初4月より米国に渡航する予定が,新型コロナウイルスの影響で渡航先より延期の要請があったため,1月に渡航した.それまでは事前準備として,渡航先の1つであるカルフォルニア大学バークレ校のRoland Burgmann教授の研究室にて開かれる週一回のオンラインセミナーに参加できる限り参加し,8月13日には自身の研究発表も行った.もう1つの渡航先の南カリフォルニア大学のHeidi Houston教授とも,研究打ち合わせを日本から数度行った.国内学会発表やオンライン研究集会等の発表を複数行った. 渡米後は,カリフォルニア大学バークレ校に客員研究員として,研究活動を行っている.渡航したが校舎には入れず,全てオンラインでの研究活動を行っている.同大学の地球惑星科学科のRoland Burgmann教授とは1回の研究打ち合わせを行い,それとは別に毎週開催される研究室セミナーにも参加している.工学部の土木・建築学科の曽根健一教授からはDASと呼ばれる新しい地震観測技術についてご教示いただくことができた.また,Heidi Houston教授とも,週に1回2時間程度の研究打ち合わせを行なっている.また,欧米の複数の大学及び研究機関の研究発表セミナーに毎週参加し,最新の研究情報に関する情報収集に努めている.
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Strategy for Future Research Activity |
6月中旬からは渡航先の大学(UCバークレ)に自由に出入りできる予定なので,渡航先の構成員の研究者との議論を重ね,研究の幅を広げたい.新型コロナウイルスの感染症対策に今後も注意しながら,研究活動を実施する.米国にて使用できる地震観測データについての調査を行い,地下の注水実験時の地震活動の変化に関する研究に注目しながらデータ解析研究を引き続き実施したい. 研究活動は行えているが,渡航先の1つであったカナダへの渡航は今年は断念し,もう1つの渡航先の南カリフォルニア大学には今のところオンラインでのみの活動を行っている.他にも米国の大学を多数訪問する予定であったが,オンラインに切り替えて打ち合わせを行っている.新規で知り合う研究者を確保して研究の幅を広げることが今後の課題であり,それを意識した研究活動を行いたい.
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Research Products
(3 results)