2021 Fiscal Year Research-status Report
複合レーザ計測による高圧・希薄乱流予混合火炎の火炎構造の解明とプラズマ利用制御
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18KK0400
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
志村 祐康 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30581673)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 乱流燃焼 / 予混合燃焼 / 部分予混合燃焼 / レーザ計測 / プラズマ / 燃焼制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高強度乱流・高圧条件下の希薄乱流予混合火炎の燃焼特性,燃焼不安定性及び燃焼振動特性を火炎構造の観点から明らかにすること,さらに得られた知見に基づいて燃焼制御手法,特にプラズマを利用した制御手法を構築することを目的としている.2021年度は,新型コロナウィルス感染症拡大のため予定していた渡航を実施できず,以下の点を訪問先の研究者との議論を交えて進めた. シングルスワール型の完全予混合燃焼器を対象として高速粒子画像流速計(高速PIV)を適用することにより燃焼器中心軸に設置されたブラフボディが流速変動特性に与える影響等を明らかにした.またOHラジカルの平面レーザ誘起蛍光法(PLIF),自発光及び高速PIVの複合光学計測から,安定燃焼から燃焼振動へと遷移する際の位相変化特性及びダイナミックモード特性等を明らかにした.これらの結果に基づきシングルスワール型燃焼器における誘電体バリア放電プラズマアクチュエータ(DBDPA)による流動制御に基づく燃焼振動抑制手法の構築を進めた. デュアルスワール型の部分予混合燃焼器を対象として上記の複合光学計測を適用することにより火炎変動及び火炎基部特性などを明らかにした.また,燃焼器の音響モードと火炎基部変動及び自発光変動との関係の検討を進め,部分予混合火炎の振動要因に関する知見を獲得した. 燃焼振動に関わる擾乱エネルギー検討のためcoherent anti-Stokes Raman scattering spectroscopy (CARS)及びLIFに基づく化学種濃度及び温度の計測手法の構築を進めた.Dual pump CARSから層流火炎を対象に窒素及び酸素の濃度計測法を,OH二波長LIFから温度計測法を構築し,層流火炎に適用することで高精度計測が可能な励起波長を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大抑制対策のため当初予定していた渡航を実施できなかったものの,本国での複合レーザ計測及び前回渡航時のデータを用いて当初予定の研究が進められている.特に旋回乱流予混合火炎の流動変動特性及びそれに起因した火炎変動特性は,燃焼制御手法の更なる展開な重要な指針となった.また,渡航の制限が解除されつつあり,延長された研究期間内で予定していた渡航を実現できる見込みが大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
シングルスワール型燃焼器に形成された予混合火炎においてこれまでに得られた実験データを対象に,動的モード解析と機械学習とを併せて大域的火炎構造と燃焼振動との関係を明らかにし燃焼制御への知見とするとともに,局所火炎構造と燃焼振動及びそれへの遷移の関係を検討する.デュアルスワール燃焼器の部分予混合火炎に関しては,不安定燃焼現象に関わる火炎構造計測を行い,燃焼振動に関する知見を拡充する.これらの火炎の燃焼振動及び遷移時を変動エネルギーの観点から明らかにするためにCARS及びLIFによる温度濃度計測を燃焼振動の特性を検討できるよう高速度化を行う.上記の解析結果,実験結果を海外研究者と共有し,共に研究を進める.
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