2020 Fiscal Year Research-status Report
反射往復型デトネーションサイクル伝播維持機構の解明とその工学的長所の探求
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18KK0404
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松岡 健 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40710067)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 反射往復爆轟サイクル / シュリーレン光学可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、独自に提案する反射往復爆轟サイクルの原理を解明し、爆轟エンジンの優位性(小型燃焼器での高い比推力、圧力ゲイン燃焼)を示すことである。2020年度は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で渡航せず、日本国内での研究を実施し以下の新たな結果を得た。 ガスエチレン‐ガス酸素を用いた反射往復爆轟サイクル(RSDC)のシュリーレン光学可視化を実施し、これまで困難であった混合気充填過程を密度勾配として初めて捉えた。これにより、爆轟伝播モードを支配していると考えられる混合気充填高さhを定量的に得ることに成功した。RSDCでの爆轟モード(波数nや伝播速度)は、無次元爆轟波伝播距離であるW/(n×h)で3±0.6の範囲で発生することが示された。ここで、Wは反射壁面間距離である。また、W=45mmおよび25mmの2種類のサイズの異なる燃焼器を用いた実験を実施した。その結果、爆轟波伝播速度はWの影響を強く受け、Wが大きいほど爆轟波の伝播速度は理想的な伝播速度(CJ爆轟波速度)に近づくことが示された。また、上記実験と並行して、RSDCの推力測定実験を実施し、比推力および特性排気速度効率を評価した。その結果、回転デトネーションエンジン同様、理論的な比推力及び特性排気速度に対して90%以上の値となることが示された。 今後は、サイズの異なる燃焼器を用いたシュリーレン光学観測および高精度推力測定(圧力ゲイン燃焼の確認)を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、当初2020年4月からの1年間で予定していたカルフォルニア工科大学のシェパード教授との共同研究が実施できない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況を判断しながら、2021年度中の共同研究開始を目指す。 同時に、日本国内においても燃焼実験および数値計算を継続して実施し、データを蓄積する。 具体的には、燃焼器サイズが爆轟波伝播速度を支配する重要な指標であることが明らかになったため、サイズの異なる燃焼器を用いて混合気供給条件を変化させ、各種爆轟モードの発現条件を無次元爆轟波伝播距離で整理する。
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Research Products
(5 results)