2022 Fiscal Year Annual Research Report
Suppression of anomalous transport in Hall thrusters
Project/Area Number |
18KK0406
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 直嗣 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40380711)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 異常輸送 / ホールスラスタ / 揺動 / プラズマ計測 / 原動機・推進 / プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、アメリカ合衆国コロラド州コロラド州立大学において、Prof.Azer. P. Yalinと協同して、Potalbe time-resolved Thomson scattering techniqueの実証実験を実施した。小型のプラズマ源を製作し、変調電源を用いてプ数十KHzでプラズマ特性が変化することを確認した。このプラズマ源を用いてトムソン散乱計測を実施し、ホールスラスタの電離不安定性と同程度の20kHzで変動するプラズマ密度及び温度の時間分解計測に成功した。並行してクリプトンを作動ガスとしたホールスラスタにおける揺動特性をProf. John D. Williamsと協同で実施した。カソードの位置やアノード形状、磁場形状でどのように揺動の特性が変化するかを計測した。また時間変化を予測するモデルを構築した。 研究期間全体を通じての成果として、揺動の解析手法の改良、揺動モデルの構築と計測系の改良があげられる。揺動の解析手法として、核融合プラズマの乱流解析でよく使われるバイコヒーレンス解析を用いた結果、ホールスラスタ内部のプラズマにおいて、様々な揺動が観測されているが、それぞれが独立しているわけではなく、揺動間で非線形結合していることが明らかになった。また、揺動のモデル化を行い、モデルと実験結果は定性的に一致することを確認した。さらに、特定の揺動と異常輸送の間には相関が強いことを確認するとともに、この異常輸送に関連する揺動と相関がみられる低周波揺動の存在を確認した。実験に関しての成果として、揺動の詳細な観測のために必要なプラズマパラメータの時間分解計測の感度及び精度を評価し、十分な感度および精度で計測できることを確認した。
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