2021 Fiscal Year Annual Research Report
Structural role of CaMKII in PSD and the induction of LTP by optpgenetics.
Project/Area Number |
18KK0421
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
細川 智永 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (30602883)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | シナプス可塑性 / シナプス / 長期増強 / 記憶 / 液-液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き香港科学技術大学およびボルドー大学Interdisciplinary Institute for Neuroscienceとの共同研究をCOVID-19の影響でオンラインで進めてきた。当プロジェクトはシナプス可塑性のメカニズムを受容体のナノスケール局在の制御という観点で捉え直しそのカルシウムシグナルによる調節メカニズムを明らかにしたという期待以上の成果を挙げ、その論文が2021年4月にNature Neuroscienceに掲載された。この高評価の背景には現在注目を集めているタンパク質の液-液相分離機構を介した制御に注目したことがあり、その第一人者であるZhang教授との共同研究のたまものである。香港科学技術大学とは引き続き総説論文の推敲を進めたほか、先方の推進するプロジェクトについて議論を深めた。具体的には、先方はCaMKIIの立体構造変化に関するプロジェクトを進めており、自己リン酸化に関する助言と実験を行った。ただし香港科技大のZhang教授は栄転で転籍されており、今後は個々のメンバーとの分散的な協力体制となると思われる。ボルドー大学Interdisciplinary Institute for Neuroscienceとの共同研究では、本課題の後継研究としての新たなプロジェクトの立ち上げに関する議論を行っていた。本課題ではシナプス蛋白質の集合メカニズムを明らかにし記憶形成の基盤メカニズムであるシナプス長期増強を説明することに成功したが、忘却や睡眠に関わるとされるシナプスの抑圧についてはあまり触れていなかった。本課題の結論からは、シナプスの抑圧はシナプス蛋白質の離散で説明できると導かれるため、それを大仮説としたプロジェクトを進行している。
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Research Products
(6 results)