2023 Fiscal Year Annual Research Report
新奇カルシウムイオンチャネルによる孔辺細胞の環境情報統合機構の解明
Project/Area Number |
18KK0425
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宗正 晋太郎 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (20641442)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / カルシウム / イオンチャネル / 環境ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の葉の表皮に存在する気孔は、一対の孔辺細胞からなる小孔である。植物は気孔の開度を制御することで、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みや蒸散による水分放出の調節を行っている。本研究では、申請者が同定した気孔開閉運動の制御にかかわる孔辺細胞カルシウムイオンチャネル候補因子の機能解析を進めている。共同研究先に渡航し、カルシウムイオンチャネルのイオン輸送活性評価に利用する電気生理学実験手法(二電極膜電位固定法やパッチクランプ法)について、実験系の最適化を進めた。また、HEK293T細胞を用いたパッチクランプ実験に使用するポリシストロニック発現プラスミドをいくつか構築した。その結果、孔辺細胞原形質膜カルシウムイオンチャネル候補タンパク質gcCNGCとGCMについて、前年度まで観察できなかった内向きカチオン電流を検出することができた。現在、イオン選択性やカルシウムイオン依存性など、チャネル活性の詳細なパラメーター解析を進めている。また、各種シロイヌナズナ遺伝子変異体にかんして、相補ラインをいくつか単離できた。相補ラインの気孔表現型を気孔開度測定と葉面温度測定により評価したところ、野生株と同様の気孔表現型が観察された。
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