2019 Fiscal Year Research-status Report
海底湧水が創出する生物生産ホットスポット:気候帯レベルでの比較
Project/Area Number |
18KK0428
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00533316)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 海底湧水 / 植物プランクトン / 浅海域 / 栄養塩 / 炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーストラリア・サウスウェールズ州コフスハーバーにあるサザンクロス大学国際海洋研究センター(National Marine Science Center: NMSC)に長期滞在し、以下に記す地下水湧出と沿岸生態系の関係に関するフィールドワークを実施した。 ①温帯域におけるフィールド調査 2019年6月28日から7月5日かけて、浅海域での地下水湧出と植物プランクトン現存量・一次生産力の関係を評価した。ここでは、シドニー湾内に4サイト(砂浜×2・マングローブ・砂泥干潟)、ボタニー湾内に1サイト(砂浜)を設けた。各サイトでは、汀線から2,5,10,25,50 mをの海水採取を行うとともに、陸側に簡易井戸を設けて塩分勾配ができるように3か所の表層地下水採取した。これらの海水は、ラジウム濃度、栄養塩濃度、クロロフィルa濃度分析に供した。また、13C法を用いて植物プランクトンの一次生産力の培養実験も行った。224Raから推定された地下水湧出量、クロロフィルa濃度、および一次生産力にもサイト間での明瞭な違いが認められ、地下水湧出が植物プランクトンの現存量や一次生産力を促進している可能性が示唆された。 ②亜熱帯域(グレートバリアリーフ南端部)におけるフィールド調査 2019年8月6日から8月12日にかけて、Agnes Watersの原生マングローブ域における間隙水交換による炭素・栄養塩輸送量と水中の一次生産による炭素固定量を評価した。マングローブ内に定点を設け、ラドン・二酸化炭素や栄養塩濃度、一次生産力の25時間連続観測を実施した。現在、サンプルの分析をすべて終え、データ解析をしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーストラリアで予定してた夏季調査が、東部全域にわたる深刻な山火事の影響により十分に実施できなかったが、2サイトでの調査が順調に行えたため、必要最低限のデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
オーストラリアでの調査を次年度も予定していたが、COVID-19の影響により渡航が困難な状況にある。そのため、比較サイトとして設けていた国内での調査を優先的に進めていく。
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Research Products
(1 results)