2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the regulatory mechanisms of integrin expression by super-enhancer analysis
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18KK0440
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
南部 晶子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特別研究員 (40572087)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | がん幹細胞 / エンハンサー / 脳腫瘍 / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性グリオーマは脳腫瘍の中でも最も化学療法が困難な、致死率の高い難治性疾患の一つである。がん幹細胞とその微小環境 (ニッチ) を標的とした新たな治療法の創出が期待されているが、がん幹細胞の増殖・分化誘導に関わる分子群の詳細な解析例は非常に限られている。これまでに独自に樹立した悪性グリオーマ幹細胞 (GIC) を融合プロテオミクス法を用いて, GICの分化制御機構に重要な因子としてintegrin aVを同定し, それらが悪性グリオーマの治療ターゲットとなる可能性を示唆してきた。 しかしながら, integrin aVの発現制御機構は未だ明らかにされていない。本国際共同研究では、腫瘍学の中で最も研究が進む白血病分野でのintegrin発現制御機構解明を通じて、これらの概念・方法論を基研究課題であるGICの分化制御機構の解明に応用させ、研究を発展させることを目的としており、最終的には悪性グリオーマ新規治療薬・診断マーカー立案への基礎情報を得ることを目標にしている。 具体的には、(1) 白血病細胞におけるMyc及びintegrin遺伝子座におけるスーパーエンハンサー形成領域の解析 (2) スーパーエンハンサー構成因子群の解析・同定 (3) 得られた結果及び手技・方法論をGICにおけるintegrinの発現制御機構の解明に応用し、最終的には脳腫瘍新規治療薬の探索・創出を行うことを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では(1) 白血病細胞におけるMyc及びintegrin遺伝子座におけるスーパーエンハンサー形成領域の解析 (2) スーパーエンハンサー構成因子群の解析・同定 (3) 得られた結果及び手技・方法論をGICにおけるintegrinの発現制御機構の解明を目的に行っており、助成3年目時において (1) 白血病細胞におけるMyc及びintegrin遺伝子座におけるスーパーエンハンサー形成領域の解析を行い、白血病細胞におけるMyc及びintegrin遺伝子座にスーパーエンハンサーが形成されること、またこのスーパーエンハンサーが転写因子RUNX1の発現によって制御されていることを見出した。 (2) スーパーエンハンサー構成因子の一つとして同定されたRUNX1の関連性においてin vitro及びin vivoを用いて検証実験を行った。また、これらの結果を学会によって発表した。 これらのことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度である4年目では、(3) これまでに得られた方法論や技術を用いてグリオーマ幹細胞にフィードバックすることを目標としており、1. グリオーマ幹細胞におけるintegrin aV、integrin aVに関連するがん幹細胞特的な分子の遺伝子座でのスーパーエンハンサー形成の有無をデータベースあるいはChip-seqを用いて解析する。 2. グリオーマがん幹細胞におけるRUNX1とintegrin aVとの関連性をノックダウン及び阻害剤を用いて検証する。また、スーパーエンハンサー形成において重要であると思われるRUNX1以外の分子群の関連性をin vitroにおいて検討する。 本研究は最終年度を迎えているため、インテグリンと白血病との関連性における実験を完了し、これらの結果を論文としてまとめ発表する予定としている。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] RUNX1-ETO (RUNX1-RUNX1T1) induces myeloid leukemia in mice in an age-dependent manner2021
Author(s)
Mohamed G, Akiko Niibori-Nambu, Morii M, Yokomizo T, Yokomizo T, Ideue T, Kubota S, Vania Teoh, Michelle Mok, Chelsia Wang, Abdellah O, Tokunaga K, Iwanaga E, Matsuoka M, Asou N, Nakagata N, Araki K, Mabrouk AboElenin, Sayed Madboly, Sashida G, Osato M
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Journal Title
Leukemia
Volume: 35(10)
Pages: 2983-2988
DOI
Peer Reviewed
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