2021 Fiscal Year Annual Research Report
Pathophysiology of neurogenic olfactory dysfunction
Project/Area Number |
18KK0448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西嶌 大宣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50704938)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | 嗅粘膜 / 蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年から2020年の1年間、アメリカのボストンのハーバード大学およびタフツ大学に滞在し共同研究を行った。この滞在においては、嗅粘膜の可視化をメインテーマに研究を行った。 この研究ではヒトの鼻腔粘膜の全ゲノム解析のデータから、呼吸粘膜と比較して嗅粘膜に優位に発現しているcytochrome p450-2A6(CYP2A6)およびγ-glutamyltranspeptidase(GGT)という2つの酵素を抽出し、その基質であるCoumarinおよびgGlu-HMRGという2つの分子に着目をした。まずCYP2A6およびGGTの2つの分子がヒトおよびマウス嗅粘膜の支持細胞および腺組織に特異的に発現していることを示した。そしてこれらの酵素の基質であるCoumarinおよびgGlu-HMRGが、嗅粘膜のこれらの細胞で代謝され、その代謝産物が蛍光を発する性質を利用することで、嗅粘膜を描出できることを確認した。これらをプローブとしてマウスの鼻粘膜に噴霧をして励起すると、迅速に嗅粘膜のみが発光するため、嗅粘膜を特異的に描出することが可能となることを確認した。さらにマウスの嗅粘膜障害モデルでの検討では、これらのプローブは無神経化した嗅上皮は描出しないが、再生した嗅粘膜は描出することを示し、これらのプローブを応用することで嗅粘膜の状態を直接観察して把握できる可能性を示した。 本年度はこれらの成果を論文としてまとめ、報告をした。
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